空想島(6畳半)

空想をすることが、生きる糧となり地となり肉となり

我が家はニートに対する敷居が下がっている、私のおかげで

「石の上にも三年」ということわざを、一度くらいは聞いたことがあると思う。

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 我慢強く辛抱すれば、必ず成功することのたとえであり、新卒入社する時とか、転職しようか迷っている時とかによく聞く言葉ですね。かくいう私も新卒入社した会社を4か月で辞める前、父に言われた言葉だったりします。

 まぁ、私は誰に何を言われようと、今がつらくて仕方ないんだ。とりあえずは逃げて、後のことはその時考える!と言わんばかりに、父の言葉を突っぱねて「石の上にも三年? そんなもん知るか!」とヒャッハーしたわけですが。

 今回は私の話ではなく、石の上にも三年を優に超え、五年も勤め上げた妹の話をしたいと思う。彼女が今の仕事を辞めるという決断をしたことを、私は祝いたいという話だ。

入ってみなきゃ、わからない

 人間関係とかは、特に

 私もそうだが、妹もどちらかというと自分の時間を大切にするタイプだ。つまりは仕事と仕事以外をスッパリと分ける。

 けれども社風が、飲み会大好き! 二次会、三次会は当たり前。社員のほとんどが(なぜか知らないが)とてつもなく活動的で、仕事以外の休日に一緒にアクティビティに出かけたり。なんというかお付き合いが多いのだ。いつ、休むのぉ……状態。

 私だったら特に用事もないのに「その日は抜けられない用事があるので欠席しますね」と問答無用で言い放つだろうなぁと思ったりしたんですけど。妹は私より出来た人間なので、新人としてのお付き合い、飲み会の幹事、お酌とか諸々をこなしていたわけです。えらい!

 私はもうそれだけで、妹が尊敬に値する! とか思っています。

 けれど、仕事から帰ってきた後とか、愚痴を聞きまくった様子から見るに、人間関係もそうだが、そもそも社風が合わなかったのではと言わざるをえない。その前兆といえる様子は2015年7月あたりに記事を書いたことがある。


 簡単に内容を説明するなら、妹が楽しそうにしている様子をあまり見なくなった気がするという内容の記事だ。私は彼女が漏らす仕事や会社の愚痴を聞いていた。私も愚痴をポロポロすることがあるし、そうすることで、少しでも彼女のストレス発散になるのならばいくらでも付き合う気持ちだ。まぁお互い様ってやつですね。

 けれどその先、どうするかは。彼女が決めることだ。かつて私がそうしたように。このままその会社で働き続けるのか、それとも別の道を探すかを。

模索、そして計画的行動

 無数にある可能性の中から、自分は一体何に興味があるだろうかと色々関心を持って行動してみて、その中でとりあえず「今はこちらに向かってみたい」という方向性を見つける。で、そこに向かうためには今何をすべきか、今の自分に何ができるかを考えて行動できる。

 私は、本当に妹のこういう所がすごいと思っている。

 彼女自身は「私って、どれも長続きしたことないから」と言うのだけれど、とんでもない。新卒入社した会社を4か月で辞めた私と違って、五年間も同じ会社で働き続けたことがそもそもすごいし。方向性を見つけた後、何をすべきかを考えて、独学でJava入門の本を買ってきて、スクールに通ったりしながら3か月勉強することもすごいと思う。

 今まで長続きしなかったように思えたのは、たぶんこれをした先に何か実現したいとか、何かできるようになりたいっていうモノ目標がなかったからじゃないかと思う。だからなんとなく始めて、なんとなくやって、なんとなく辞めた。私もそういう経験たくさんある。

 そういう意味で「負」の原動力っていうのはすごく力がある。「この会社で働き続けることに未来を見いだせないから」違う場所に行けるようになるために勉強するとか。「負」の原動力は発動させる時に必ずどこかで痛みが伴うから、そんなに頻発して使うことはできないんだけれど。どこからか逃げる時には必要なのかもしれない。

ニート記念にケーキを食べよう

 ということで紆余曲折あって、彼女は晴れて石の上にも五年働いた会社を退職した。そして今は晴れて転職活動中という名の無職(ニート)だ。最近は「面接がめんどうくさい」とか「何で一般企業は最低二回以上も面接するの??」という愚痴を聞いているが、それでも彼女が働いていた職場の愚痴を聞くことはもうないだろう。

 ニートに記念もクソもないとは思うが、一度就職して五年もその会社で勤め上げ、もう何年かしたら中堅として役職につく可能性すらあったらしいが。その椅子を蹴り飛ばして異業種に転職することを決め、レールを外れることを選んだ彼女の門出を祝うという意味で、ケーキを食べることにした。

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 ザッハトルテ、美味しい。

 ……べ、別にただケーキが食べたかったわけじゃないんだからね!

 なんというか、今まで彼女はなんでもそつなくこなしてきたように思う。特に大きな失敗のなかった人生。そういう意味で優秀だと思うのだけれど。人生に一度くらい立ち止まる機会があってもいいんじゃないかと思っていた。別にニートを推奨しているわけではないのだけれど、このニート期間を、転職活動以外の自分自身の貴重な充電期間として使って欲しいと思っている。

本日のまとめ

 私が新卒4か月の会社辞めてからもうどのくらい経っただろう。もう忘れましたが。あの時、私に対する家庭内の風当たりは相当悪かった。働きもせず親の金で実家に居候しているくらいに思われていただろうし、実際そうだった。

 ニートとして家にいることの条件として家庭内の仕事を率先してやることを決め、それをこなしていてもちょっと遊んでいたら「ずいぶん余裕があるね」と言われる始末。生きていることに申し訳なくてとまではいかないが、夜ベッドに入って寝る時に「私、これから生きていけるんだろうか?」と泣きながら寝たこともあった。

 その後、紆余曲折あって今働いている会社に拾われて、契約社員として働けているわけだけど。私というヤバい前例があるからなのか、妹が私よりしっかりと目標を立てて進んでいける人間だからなのか。今、我が家ではニートに対する敷居が下がっていると思う。

 だからニートであることを恥なんて思わず、この機会にやってみたいことに挑戦したり、温泉旅行行ったりして存分に楽しんで。そして今度こそ彼女が彼女らしく働ける場所を見つけてほしいと思っている。