空想島(6畳半)

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聴覚情報を処理するのが苦手というコンプレックス

突然ですが、聴覚から入ってきた情報を処理するのが苦手なのでは?と考えさせられる出来事がありました。

実はこういうことは他にも結構あって、例えば自己紹介の時に人の顔を見てその人が名前を言ったとしてもすぐに忘れて1回で覚えるのは難しいですし。時間が差し迫っていて急いで言われたことをやろうとすると、言葉というか相手から私に向けて発せられた音の意味が理解できなくて、とんちんかんなことをやってしまったり。

そのたびになぜ簡単なことが覚えられないんだろうと自己嫌悪に陥るわけですが、そんな時「認知特性」という言葉をどこかで見かけました。ということで、本日は私の「認知特性」について簡単な診断テストをしてみたのでその結果を交えて色々考察してみたいと思います。

音、聴覚からの情報を処理するのが苦手

私が実際に体験した、病院で恥をかいたっていう話をしようと思う。去年、病院に行った時のことです。その日は人生初の大腸内視鏡検査を受ける日で、朝病院で受付をした後に「まず検査着に着替えてもらいます」と言われました。

確か、口答で以下のような諸注意を6点ほどの聞いていたんです。

・空いているロッカーに荷物を入れ、なかの検査着に着替えること

・運動靴と靴下は脱いで、裸足で検査用サンダルを履くこと

・検査着に着替える時は身に着けているズボンは脱ぐこと

・ロッカーの中に入っている紙おむつを身に着けること

・ただし、寒いので無地の長袖は着用していて良い

・検査着は上はワンピース型、下はズボン型になっているけれど今の段階では下は履かなくて良い

それら1つ1つに「はい」と返事して、検査着に着替えるためのロッカーに辿り着いた時にはどんな諸注意を受けたのか思い出せなかったわけです。さっきなんて言われたっけ?状態である。より具体的にいうなら、パンツは脱ぐといったけど果たして検査着は下を履くのか履かないのかがわからなくなったわけです。

わからないならそばにいる人に聞けばよかったんですけれど、忙しそうに走り回る看護師さんを呼び止めて「さっきの話をド忘れしたんでもう一度教えてください」と聞くのがなんだか恥ずかしくて。記憶のままに着替えて検査に行ったら「さっき検査着、下履かなくていいっていったでしょ。話聞いてなかったの?」と怒られたっていう話です。

私はこういう口答で言われた音から入る情報を理解して、短期記憶として保持して、必要となった時に頭の中の本棚から取り出すことが苦手な人間なので、文字にして物として残る形にして説明してくれたらいいのにと思ってしまいます。

認知特性とは

認知特性とは「ある対象を知覚する上で、それが何であるかを判断したり解釈したりする過程のこと」をいい、まぁ簡単に言うと、Inputされる情報を頭の中で理解したり、整理して記憶したり、誰かに伝えるために表現する方法のことだそうです。

例えば家族で旅行に行き、同じ場所を観光したはずなのに、ふと思い出として家族内で語り合ってみると、見たもの、訪れた場所、食べたもの、見えたもの、聞こえた音などの記憶などが異なることがあるはず。

このような知覚や認知は個人個人で異なり「認知の特性」と呼ばれているそうです。「認知特性」とは生活環境の中で育まれていくものなので、ある程度は「生まれた時点で持っている能力・素質」といえるかもしれません。

本田40式認知特性テストをやってみた

自分がどんな認知特性を持っているのか、簡単に調べることが出来る診断ツールがあります。あなたの才能が10分で分かる40問テストや医師のつくった「頭のよさ」テストという本を執筆した障害を持つ子どもの診療をしている医師である本田真美さんが作っている「本田40式認知特性テスト」と呼ばれるものです。

興味がある方は本を読んでみることをオススメしますが、本を読まずとも公式サイトから本田40問式認知特性テストをダウンロードすることが出来ます。認知特性テストのダウンロード方法はあなたの才能が 10分でわかる 40問テスト-認知特性 - NAVER まとめを参考にしてください。

ちなみに簡単なテストで分かるのは、全部で6タイプ。

A視覚優位者
(1)写真のように二次元で思考するタイプ
(2)空間や時間軸を使って三次元で考えるタイプ

B言語優位者
(3)文字や文章を映像化してから思考するタイプ
(4)文字や文章を図式化してから思考するタイプ

C聴覚優位者
(5)文字や文章を、耳から入れる音として情報処理するタイプ
(6)音色や音階といった、音楽的イメージを脳に入力するタイプ

私は勝手に聴覚情報を処理するよりは視覚情報のほうが得意だから視覚優位じゃないかなぁと予想しながらテストをやってみたのですが。結果は「言語優位者」でした。

言語優位者とは?

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(illustration by くちばし欠けた)

診断テストに書かれていた結果をそのまま引用しますが、私は読んだり聞いたりした言葉を映像化してから思考する「言語優位者・言語映像タイプ」と、文字や文章を読んで、そのまま頭の中で再現する「言語優位者・言語抽象タイプ」に該当するようです。

言語優位者・言語映像タイプ

本や小説を読むとその場面が容易に想像でき、文章よりは映像イメージとして記憶します。言語を映像化することも、逆に映像を言語化することも得意です。

感覚的思考者は主に右脳を使っているといわれていますが、言語映像タイプは言語機能をつかさどる左脳とイメージをつかさどる右脳をバランスよく使うことができます。右脳と左脳のあいだには「脳梁」という二つの脳の情報が行きかう場所があるのですが、その部分が発達しているともいえるでしょう。

確かに本や小説を読むと、まるで頭の中で映画でもやっているかのように映像が流れます。だからお気に入りの小説が実写化されたりすると、自分の中で形成されていたイメージが壊されて不機嫌になったりします。まぁこうやって文字を書くのが好きなので、言語優位というのはうなずける部分がありますね。

言語優位者・言語抽象タイプ

東大生の見やすくまとめられたノートは、言語抽象タイプの人が作成したのではないかと思われます。それは、このタイプの人は授業内容の要点をきれいに図や相関図にまとめ、ラインマーカーやペンの色を使いわけ、字の大きさや太さを変えて見やすく整理することが得意だからです。

このタイプの人は「言葉を見る」のが得意です。どういうことかというと、一度文字に落としたり、紙に書いてある文字を見たりしたほうが覚えやすいという特徴があるからです。

 診断テストで最もポイントが高かったのがこのタイプです。東大生までとはいきませんが授業で黒板に書かれたことをノートに写して、要点をメモして、あとでまとめて整理するのは好きでした。まとめノートを見ながらテスト勉強をするわけですね。また人から聞いた言葉を覚えることは苦手ですが、本の内容を、書かれている文字を記憶することは得意です。恐ろしいほど当たっています。

自分の「特性」を知っているということ

ちなみに聴覚優位者タイプのポイントが最も低かったですね。

だからと言って「私には聞く力がないんだから仕方がない」と諦めるというわけではありません。認知特性が「生まれた時点で持っている能力・素質」みたいなものであるとしても、それは苦手というだけで出来ないというわけではないからです。

ただ自分の特性、好み、得意な方法を知っていると、苦手なことや嫌いなことがあった時に自分のやりやすい方法を見つけたり、得意な能力で苦手なことを補うことが出来たり、苦しまずに楽しみながら克服したりすることが出来るということだと思います。

本日のまとめ

例えば私の場合ですが、高校時代は授業で黒板に書かれたことを丸写しするだけでした。大学に入り、授業では黒板に書かれた要点と教授の発した重要そうな言葉をメモしてあとでまとめることが出来るようになり、最近仕事の中では聞いた言葉を瞬時にメモしてまとめることが出来るようになってきました。

今でも口答で言われた言葉、形として残らない見えない音を瞬時に理解したり、覚えたりすることは苦手なのですが、逆に考えると文字にしてしまえばこっちのものということです。無理せず、自分にとってやりやすい方法で訓練することで認知特性は伸ばせるのだと思います。

まぁ言語優位とはいえ、それはあくまで言葉を「見る」のが得意なだけで、人と話すのが得意というわけではないところがまた当たっています。興味があれば、是非こちらの新書を読んでみるのも面白いと思います。

医師のつくった「頭のよさ」テスト 認知特性から見た6つのパターン (光文社新書)

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