空想島(6畳半)

空想をすることが、生きる糧となり地となり肉となり

誤解がある気がする職業訓練

無職やニートになると、とりあえずハローワークに行く人も多いのではないでしょうか。かくゆう私も、@phaさんが執筆したニートの歩き方という本で、スキルアップできる職業訓練の存在を知っていたので、それについて調べるためにハローワークに行きました。

職業訓練とは

再就職を目指す人のためのスキルアップ制度です。期間は3か月~6か月がメインで、ITやWEB系などの技術系、事務系や、介護系など、様々なジャンルの基礎技術を身につけることが出来ます。主に雇用保険受給者向けの「公共職業訓練」と雇用保険を受給することが出来ない人向けの「求職者支援訓練」があります。

職業訓練受講給付金について

よく「職業訓練をしながら、月10万円のお金が貰える」という話を聞くのですが、そんな甘い話はありません。この月10万円は「職業訓練受講給付金」といい、職業訓練を受講する人の内、7つの要件を全て満たさなければ貰えません。

1.本人の収入が月8万円以下
2.世帯全体の収入が月25万円(年300万円)以下
3.世帯全体の金融資産が300万円以下
4.現在住んでいる所以外に土地・建物を所有していない
5.全ての訓練実施日に出席している
6.同世帯の中に同時にこの給付金を受給して訓練を受けている人がいない
7.過去3年以内に、偽りその他不正の行為により、特定の給付金の支給を受けたことがない

私の場合は、2と3の条件が該当しません。2と3は同居、または生計を1つにする配偶者、子、父母が該当するためです。これらは本当に、生活が苦しい人のための制度であることがわかります。

職業訓練で破産する可能性がある

私の場合は、働いていた期間がたった4か月なので、そもそも雇用保険は貰えません。そのため、もし職業訓練を受けるとすると「求職者支援訓練」を利用する形になると思います。さらに職業訓練受講給付金にも該当しません。「公共職業訓練」と比べると、交通費手当もありません。受講手当は、専門学校の入校が格安になる程度のものがありますが、どのくらいお金がかかるのか試算してみましょう。

ここでは、とりあえずWEB系のクリエイター養成講座で考えてみます。職業訓練というものが、土日関係なく行われるものかどうかはわかりませんが、1か月約30日として、180日として換算します。場所は色々選べるようですが、秋葉原とします。まず6か月の受講費用として自己負担は15,000円です。(通学定期を買うことが出来れば、また異なるのかもしれませんが)交通費として1日1000円かかるとすると、6か月の交通費は少なくとも18万円かかることが分かります。つまり職業訓練を受けるだけで、6か月19万円以上かかることがわかります。

この他に、固定支出金として毎月支払う必要がある携帯料金、家に入れるお金、(私の場合は)大学院の奨学金の返還などが考えられます。今は働いていた時の少ない給料を切り崩してなんとか生活しているので、職業訓練に行くだけで、最終的に破産します。スキルを得た所で、その後の活動(就職活動など)が立ち行かなくなります。

破産しないためには

まぁ、今のままだと、職業訓練に行こうが行かまいが、お金がなくなることには変わりないので、早めになんとかしなければなりません。例えば、就職活動をやり直すことも1つの手ですし、手っ取り早くお金を得るためにバイトを始めたり、派遣社員になったりすることも考えられるのではないかと思います。訓練自体は、募集があればいつでも受けることが出来ます。まずはお金をためてからと自分の中で期限を決めてもよいでしょうし、就職活動をしてみて、中々決まらないと思うのであれば受けてみるとしてもよいでしょう。

雇用保険を受給することが出来ない人、かつ職業訓練受講給付金を受給することが出来ない人で、預金が少ない人は少し立ち止まり、本当に職業訓練を受けるかどうか、じっくりと考えた方がいいかもしれません。