空想島(6畳半)

空想をすることが、生きる糧となり地となり肉となり

南会津ふるさとワークステイ【集落編】

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都会と山の集落の違い

今回は、ワークステイをした南会津の集落と東京との違いについて、紹介したいと思います。中には「こんなこと当たり前、驚くほどのことではないな」と思われることもあると思います。けれど、北海道生まれではありますが東京育ちな私にとっては、山の中の限られた世界を形成している集落で見た、様々なことが新鮮に見えてしかたがなかったのです。

玄関オープン、心もオープン

昔の日本では当たり前にあったのだと思いますが、基本的に田舎の小さな集落では玄関が開いたままです。開いたままというのは玄関の鍵がというわけではなく、物理的にOPENという意味です。そもそもインターホンというものがないので、時折尋ねてくる近所の人や市役所の人も、「こんにちは~」「おばんです~」と言いながら、家の中に入ってきます。それだけでもギョっとしていたのですが、ワークステイ先の農家さんが、ある意味、集落の集会所代わりになっているため、尋ねてきた人とリビングで一緒にアイスコーヒーを飲んで、雑談することも多かったです。皆さん、この家にいると何時間でも話して居られるっぽいです。東京ではあり得ない景色ですよね。

河川の増水警報が鳴り響く

9月5日は南会津でも大雨で早朝以外、農作業できなかったのですが、夜中にいきなりサイレンのような警報が鳴り響いて、思わず飛び起きました。地震かと思ったのですが、河川の増水を検知するセンサーが作動した際の警報でした。大雨になると、山から流れてくる水が一時的に増加するので、川の近くで釣りをしている人がいる場合、それで退避を呼び掛けるそうです。ただし夜中の警報はかなり煩いので、安眠妨害だという話を聞きました。夜中に真っ暗な川で釣りしている人なんていないよということです。地域によっては、夜は煩いので警報を切っている所もあるようです。本当にヤバイ雨で洪水になった時、困るんじゃないかなとは思いましたが。

買い物袋の代わりに、ダンボール箱

最近はスーパーで買い物をする時、自前で買い物袋を持っていくと資源削減にもなるので、エコポイントがついたりしますよね。ビニール袋いりませんという意思表示をすると、レジの人がカゴにビニール袋を入れないという光景は東京でもよく見かけますが、南会津の集落に一番近いスーパーはそもそもビニール袋を常備していないようでした。買い物客はレジで会計をしたあと、常備されている小さなダンボール箱に購入した商品を詰め、車に乗せて持って帰るのが一般的なようです。この話を母にしたところ、普通に東京でもあると言われてしまったのですが、私自身はあまり見ない光景だったので、ポカンとしてしまいました。けれど、車で移動することが多い田舎の場合は、購入した商品を1つにまとめることが出来るダンボール箱のほうが便利なのかもしれません。

忘れていた世界を、求める

集落の人は、口々に「田舎に何を求めて東京から人が来るのかわからない」とか「何にもなくて」「こんなボロボロな家で申し訳ない」という風に話しているのをよく聞きました。東京や都会の人から見たら新鮮に思えることってたくさんあると思います。

例えば、大自然と田んぼに囲まれているだけで安心できます。写真は、そば畑の花の写真です。東京に戻る途中、電車からの景色が山と田んぼからコンクリートジャングルになった時、なんだか寂しさすら感じました。昔ながらの柱がある木の家は温かみがあります。玄関から気軽に訪れる近所の人との繋がりも、近所や集落という1つのグループが関わり合っている証だと思います。このように、自分の知らなかった世界を間近で体験することが出来ることも、泊まり込みで働く事が出来るふるさとワークステイならではだと思います。