空想島(6畳半)

空想をすることが、生きる糧となり地となり肉となり

ひとり という時間を創る

神社、映画、温泉なくして、私の社会人生活は語れない。

というのも、この3つは私を精神的に支えていたからです。今日は「神社」についてお話したいと思います。私にとって「神社」は、ひとりの時間を提供してくれる場所であり、どうにもならない困った時の「神頼み」をする場所でした。

私はどちらかというと人ごみが苦手で、休日の新宿や渋谷、雑踏などに入ると、すぐ疲れてしまったり、気が滅入ってしまいます。だからといって人が嫌いというわけではなく、祭りやイベントはどちらかというと好きな方なので、その際は自分にとってそこそこ楽しく、かつ疲れないような距離の取り方に気をつけていました。しかしいきなり社会人になり、環境がガラリと変わったせいか、緊張状態を強いられ、精神的に弱っていました。

当たり前ですが、会社の中というのは1人になる時間的・空間的余裕はありません。大企業だったらわかりませんが、中小企業はそもそも建物が小さいので、いつでもどこでも人がいます。まぁ会社は仕事をするための場所ですので、気を休めようとするのがそもそも間違いだとも言えますが。リフレッシュするためとして用意されている部屋も、先輩がいるだけでリフレッシュできない部屋になります。唯一、周りに人がいない場所としてあげられるのは、トイレの個室くらいではないでしょうか。

新人研修中は外に出るのも(生命保険やら何やら客引きが待ちかまえているので)億劫だったのですが、息が詰まる感じに耐えられなくなり、散歩すると気が休まるのではと思い、太陽がギラギラする中、外に出ました。何も考えなしに出たわけではなく、神社が近くにあったという記憶があったので、それを探しに行きました。迷いに迷って辿り着いた神社は、長い階段を登った先にあり、それだけで汗だくだくになったのですが、神社の周りにある木々や御神木が重なり合って日陰を作っていて、身を清める手水舎からとくとくと流れる水と、2、3羽の雀と鳩の鳴き声だけというシンとした空気に包まれていて、蒸し暑さも吹き飛びました。

神社の外、つまり境内と俗界の境界を示す鳥居の外は、車がブンブン走る大通りに面しているのですが、ここだけ、違う世界にいるような気がしました。なにより平日の昼間は人が少なく静かで、例え外が亜熱帯のように暑くても、神社の木陰にいる分には涼しかったというのもあり、会社内にはない癒しスポットだと確信し、私は祀られている神様に挨拶をして、この場所でランチを食べてもいいかと尋ね、了承を得られたかどうかはわかりませんが、毎日、この神社に通うようになりました。

神社の良い所はやはり静かであることです。もともと人が密集する場所に息苦しさを感じていたので、神社の中では水を得た魚のような気持ちでした。人気のない木陰でお弁当を開き、雀や鳩の様子を眺めながら、ランチを食べる時間は至福の時でした。周りの人から見ると、あの人、ボッチで寂しい人だなと思われていたかもしれませんが、1人で考え事がしたかったり、物思いに耽りたい時には、神社は最適です。

しかも毎日のように通うと、私と同じようにコンビニのビニール袋や本を持って、集まってくる人がいることも知りました。大体スーツを着ている男性が1人で来て、それぞれ思い思いの場所を陣取って、静かに流れる時間を楽しんでいました。神社という場所は、神様にお会いして願い事をする場所でもあり、都会の喧騒を 一時的に忘れたいと願う人の憩いの場所となっているのだなぁとも思いました。

それからというもの、神社が身近な存在になったような気がしています。 神社の鳥居があれば、くぐって神様に挨拶をしたり、少し佇んだり、おみくじを引いてみたり。 蚊に刺されることにさえ気をつければ、夏の暑さ対策にも神社は使えます。どうにもならない精神的な不安を和らげたり、清らかな空気を感じてリフレッシュしたい時は 近場の神社を探して、尋ねてみるのも面白いかもしれませんよ。

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