空想島(6畳半)

空想をすることが、生きる糧となり地となり肉となり

相談できる人がいるだけで、救われるのに

 会社についてメール確認すると「遅刻します」メールが飛びかっていることありますよね。雨の日とか、台風の時とか、強風の時とか、人身事故の時とか。電車が遅延してどうしても間に合わない時とか。そんなよくある一幕、それは起こった。

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 とある派遣社員さんが来ない。

 電車遅延のため、遅れますというメールはあったか?――いや、ない。熱出ましたとか、風邪ひいたので休みますとか勤怠連絡はあったか?――いや、ない。実は有給休暇だったのか?――いや、ない。色々自問自答してみたが、まさか、これが噂に聞く無断欠勤というやつか、と思いはしたのだけれど。

 この現象この事態、なんだかとてもよくわかる。さすがの私も無断欠勤はしたことないけれど、自分はなんてダメな奴なんだって思うような後ろめたい気持ちになると、どんどん自分で自分を苦しめてしまって二進も三進もいかなくなる「あ、これ私知ってる……」という行為について考えてみたいと思う。

きっかけは、おそらくコミュニケーション不足

 これは両方ともという意味でだ。

 私の働いている部署は人数がとても少なかった。最も少なかった頃は5人体制で、ちょっと前までは8人体制だった。そして今現在は11人体制まで増えた。仕事が増えて8人では捌ききれなくなったからだ。けれど元々少ない人数で、いくつかの仕事を掛け持ちしながら日々回していた部署なので、いっきに3人も新人が入るとどうなるかというと、受け入れ体制の不十分さが露呈するということだ。

 もともと全員が今ある仕事をやることで精一杯で、会社が用意する社内マニュアルはあるが、部署ごとに仕事のマニュアルがあるかというと、そんなものはない。まあ初めは簡単な仕事を回すから、どんなことをやっているのか把握しながら、仕事は見えて覚えろ的な。わからないことがあったらなんでも聞いてね方式だ。

 でもかつて私も何度も体験したことがあるから気持ちがわかるのだけれど、この「私たちにもやるべき仕事があるから1~10まで面倒を見ることは難しいけど、わからないことがあったら遠慮せずに聞いてね」というのは曲者なのだ。

 新人社員なのだからわからないことだらけなのは当たり前だし、当然だ。会社によって風土も違えば、仕事の進め方も独特のルールも違う。初めてでわからないのは誰にでもあること。だから遠慮せずに聞いちゃって、その疑問を解消しておくことが大切だ。うん、理屈上はわかっている。けれど、実際に実践できるかっていうと難しい。

 忙しそうに社員さんや派遣さんが働いている様子を見ると「こんなことを聞いて、手をわずわらせないようにしないと」とか「こんなこともわからないのかと思われたくない」とか思ってしまったり。「また後で、また後で聞けばいいや」とつい後回しにしてしまったりする。

 そういうことを繰り返していると、受け入れる側は受け入れる側で「質問がないってことは、理解してるってことだな」と思ってしまったりする。今言っても仕方がないことなのだけれど、もっと仕事の合間を縫って「今、何か困っていることある?」と積極的に話をするべきだったと思う。

無断欠勤、ダメ、絶対

 これがなにを引き起こしたかというと、端的にいえば「無断欠勤」だ。さすがの働きたくない症候群で、新卒入社した会社を4か月で辞めた私でさえも無断欠勤はしたことないのだが、多分なんらかの理由があったのだ。

 電車遅延したとか、風邪ひいたとか、体調不良とか。もしくはかつて私がよく患ってた「会社行きたくねー、働きたくねー」という気持ちが爆発して、会社が近づいてくると腹痛と頭痛と動悸がするという鬱症状を発症したとか。まぁどれでもいいのだけれども、最大の問題は勤怠連絡先がわからなかったことなんだろうなぁ。勤怠連絡先、遅刻・欠勤連絡先、つまりはメールアドレスだ。

「××ちゃん、△△さんって今日、欠勤連絡あった?」
「いや、メールは来てないですね」
「だよね……」
「そもそも、勤怠連絡するアドレスを△△さんは知ってますっけ」

みたいな会話をした後に「(え、まさか……)」みたいな顔をしたのでお察しである。教えるのを忘れていたこちらにも過失はあるが、でも困るのはわかっているのだから、聞けばいい話なのである。

 かくいう私も今勤めている会社に出向した時の最初のミッションは、課長と直属の上司の名前を聞き、緊急連絡先を聞くことだった。今も別に人見知りが直っているわけではないが、すごく緊張しながら課長やチームリーダーに話しかけて、名刺を頂いたことを記憶している。

 だからその、キツイ言い方をするといつまでもお客様でいられると困るのだけれども。質問しにくい、聞きにくい雰囲気があったのだと思うと派遣スタッフさんばかりが悪いというわけでもないし、受け入れ体制が万全とは程遠く、受け入れ側に反省すべき点が多々あるのは事実だ。

 でも連絡が全くないと「何があったのかな」とか「人身事故に巻き込まれたのかな」とか心配になるので、出来れば連絡が欲しいのだけれど。互いに連絡先がわからないので連絡しようがないという悪循環。現在進行形、無断欠勤の記録を更新中だ。

「あ、これ、私知ってる……」

 もちろん、形は違えど、私にもそういう経験があるから、そう思った。思い当たった。新卒で入社した会社を4か月で辞める直前の私が、そんな状態だった。私の場合は嘘でも何でもつきまくって必ず会社に連絡した上で休んでたんだけど、まぁ似たようなもんだ。会社に行かなくちゃいけないことはわかっているけれどいけない、みたいな。

 本当はできるだけ早くに連絡をするのが正しいのだと思うのだけれど、それができない精神状態の可能性もあるので、まぁ土日にリフレッシュして月曜日に何食わぬ顔で出勤して謝罪すれば、まだ傷は浅く済んだかもしれない。

 けれど周りにどんな目で見られるのかと思うと怖くて仕方がなくなったり。「自分はなんてダメな奴なんだ」「社会のゴミだ」「普通の人が出来ることが出来ない自分はおかしいんだ、この糞野郎」っていう鬱々とした気持ちになると、どんどん自分で苦しめてしまって、二進も三進もいかなくなる。袋小路に閉じ込められる。そして1人で悶々と考えてしまうから、小さな問題を巨大な問題に育て上げてしまう。

 滅茶苦茶、気持ちがわかる。こういう時、相談できる人がいないのがつらいのだ。自分がそこにいていいと思える何か。自分の存在を無視することなく、親身になって話を聞いてくれる誰かが欲しくなるのだ。それだけで救われるのだ。

本日のまとめ

 今の会社に3年間勤められるようになって、知り合いに助けれられて、相談できる人がいて、気持ちを吐露できるブログがあって、人の縁に恵まれてきた。だから私は今ここにいるわけだけど、うまくできない人もまだまだたくさんいるのだ。ポキッて折れてしまうような、繊細な。会社に溶け込み、会社で働くことに慣れてしまっていつの間にか忘れてしまっていたけれど。
 零れてしまう人の気持ちを、言葉にできない思いを。察することは正直難しいのだけれど、できる限りフォローできるような人間になれたらいいのに、というのが私の反省。

 でもなんともならなそうだったら、周りに対して存分にヘルプミーするしかないのだ。相手が必要な情報を渡し忘れていたら、こちらからアクションを起こすしかないのだ。自分だけで出来ることには限界があって、自分で解決できることにも限界がある。私は新卒入社した会社辞めて、ニート半年やって、それを学んだ。

 私も新卒で入社した会社(もう名前も思い出せない)に対して、新卒で付与されていた有給休暇を全部放出した直後に退職するっていう、相当やらかしたことやってたけれど。なんの連絡もないのはそれはそれで心配になるので。もうどんな方法でもいいから連絡が欲しいと思っている。連絡をください。マジで。