空想島(6畳半)

空想をすることが、生きる糧となり地となり肉となり

偶然の出会いが忘れられない「Echelon tea house 瀬田」のお話

約5か月前の今頃は、ゴールデンウィークでしたね。

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 皆さんは、どのように過ごしたのでしょうか。
 私はゴールデンウイーク中に3泊4日くらいの京都&滋賀旅行してました。

 交通費代を節約するために乗り込んだ夜行バス(最近は4列は疲れるので、乗るのはもっぱら3列)。早朝に到着した京都駅でスマホの電源を求めて歩き回ったり、おばんざいが格安で頂ける朝ごはんを求めて朝のひんやりとした静謐な空気の漂う京都の街を歩いたり。

 その日は御寺泉涌寺 別院 雲龍院を訪問して、朝から写経体験をしていた。この写経体験も別の機会で紹介したいと思っているが、その写経体験の帰り道、滋賀県の瀬田をぶらぶら歩きながらお昼御飯を食べる場所を探していた時のこと。

 なんとなく「その街に根差している店に入りたいな」と思って、スマホで検索して見つけたカフェに入った。決め手は紅茶とホットケーキ。本日は偶然入った紅茶専門店「Echelon tea house 瀬田店」の話を紹介したい。とても素敵なお店だったので。

 ムレスナティーって知ってる?

 皆さんは、紅茶と聞くと何を思い浮かべるだろうか。

 私も紅茶についてはあまり詳しくないのですけれど、有名なモノはダージリン、アッサム、セイロン、アールグレイですね。ちなみに私が普段飲むのは、コスパ最高ティーバッグの日東紅茶です。

 私もお店のスタッフさんに教えてもらうまでまったく名前を知らなかったのですが、MLESNA TEA(ムレスナティー)は、紅茶大国スリランカの高品質紅茶ブランドなんだそうです。スリランカ政府により認められた100%ピュアセイロンティーだけと取り扱い、東京だとまだまだ取り扱い店補が少なく、希少価値のある紅茶なのだそうです。


 取り扱っているのはBlack TeaとFlavored Teaの二種類。BlackTeaというのはミルクを入れず、茶葉本来の味や香りを楽しむ紅茶のこと。Flavored Teaについては、紅茶をベースに花びらや香料、果皮などで香りを付加した紅茶のことです。

 紅茶専門店「Echelon tea house 瀬田店」は、その数少ないムレスナティーの紅茶卸、その正規代理店の1つです。角を切り落として丸く優しい印象を与えるテーブルとイス、そして壁の一角に鮮やかな紅茶の箱が並ぶ可愛らしいお店で、ムレスナティーとお食事を頂くことができます。

是非、座ってほしいのはカウンター席

 写経体験の帰り道、雨がポツポツと降ってしまった。まさか雨が降ると思っていなかった私は、駅の近くにあるコンビニでビニール傘を買った。雨は土砂降りというほどではなかったが、それでも出かけようと思っていた誰かの足を止めるには十分だったのかもしれない。何が言いたいかというとお昼時にも関わらず、カフェに到着した時、他のお客さんは誰もいなかったのだ。

 旅行していると、普段より行動力が上がりますよね。誰もいないからって入店を躊躇することはまったくなくて「お好きな席にどうぞ」と言われて、その時はなぜか「せっかくだからカウンター席座ろう」って迷いなく思ったんですよね。多分「その地域に根差している店に入りたい」って思っていて、無意識に「その店のことを知るには近くに座るのが一番だ」と判断したんでしょう。その時の私を褒めたたえたい。自画自賛したい。よくぞ、カウンターに座った。

「いらっしゃいませ、今日はあいにくの雨ですね」

「そうですね、朝から京都に行っていたんですけど帰ってきちゃいました」

「あ、もしかして旅行ですか。 どちらから?」

「東京です」

みたいな会話が自然と生まれるんですよ。

 私は一人旅というべきなのか、1人で行動することに慣れてるので、食事したりする店に入った時はさっさと注文して、傍らにスマホを置いてTwitterをお供に食事をすることが多いんですけど。色白でショートカットで少し気の強そうな顔立ちだけれど、笑うと可愛らしいスタッフの話術にすっかりやられてしまってましたね。

スタッフオススメセレクトのホットティがすごい

 メニューを見て注文したのはホットティ(800円)+究極のホットケーキ(1470円)。ちなみに究極のホットケーキはこんな感じでした。ぐりとぐらのホットケーキのような厚みのある綺麗なきつね色で、外側はさくっと中はふんわりしています。写真には一切載っていませんが、シロップとしてベリー系とキャラメル系の紅茶シロップが2種類ついてきて、それをこれでもかというほどダクダクかけて頂くのが作法です。

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 紅茶はティーポットに入っていて、たぶん何杯か飲めるのだろうなと思っていたので、こんなもんかと思ったけど、思わずメニューを二度見するほどギョッとした。ホットケーキの値段がヤバい。合わせたらランチで2270円も使うことになっている。けれど、私の予想はいい意味で裏切られた。

 なんとホットティ(800円)というのは、1種類の紅茶をティーポット分頂くのではなくて、お替わり自由で、カップがなくなり次第、色々なフレーバーティーを飲むことができるというとてつもなくお得なセットだったのです! もう軽く紅茶のテイスティングしている感じだ。

 しかも店員さんがムレスナティーとは何かという基本的なことから、日本にムレスナティーを広めた社長のこと、紅茶が好きすぎて社長自らで紅茶をPRする雑誌を作ってしまったことなどを、とても楽しそうに話してくれる。

「こんな雑誌なんですよ、すごいでしょ?」

「立派な本じゃないですか、ちょっと読んでもいいですか?」

「もちろんですよ、ぜひ読んでみてください!」

私は基本的に相槌を打っているだけだったが、話を聞いているだけでこちらも楽しくなってきたのを今でも覚えている。

 以下に並べたのは、私がその時ホットティ(800円)の範疇で頂いた紅茶たちであり、ムレスナティの看板商品であるcube boxです。まるでクリスマスの誕生日プレゼントを思わせる正方形の御洒落なパッケージに、その紅茶を飲むだろう人のことを考えてつけたメッセージとワクワクしてくる文章がついている。店員さんによるとこのパッケージも文章も写真も全部社長が毎回考えて作っているのだそうだ。

楊貴妃の果実

 紅茶の色は薄め。けれど目の前に出された瞬間からふわりと鼻孔をくすぐるトロピカルな香り。一瞬で東南アジア、タイとかの南国にたどり着いたかのような錯覚を覚える。一口飲んで「ライチだ……」となる。本当にライチをまるごと絞って作ったフルーツジュースのような紅茶なのだ。フレーバーティーに対する思い込みが、ガラガラと音を立てて崩れ落ちた瞬間だった。

きらめき果実【人気No.11】

 よく知り合いにお土産だよとお茶を頂くことが多いので、お土産を買おうと思って
店員さんにオススメされたのがこれだ。いわゆるフルーツミックスしている紅茶だ。口の中がまるでお茶会を開いているかのような感じ。「1000%果実」と銘打っているだけあって甘くて華やかな味わい。けれど後味はスッキリしている。飲みやすいのだ。

マスカットグレープ【人気No.8】

 ホットティを頼んだはずなのに「アイスティも飲んでほしいから、特別ね」と店員さんがいたずらっ子のように笑いながら、作ってくれたのがキンキンに冷えたマスカットグレープのアイスティ。氷一杯のコップ2つほど組み合わせてまるでカクテルを作るかのように振って作っていたのが印象的だった。食事に合わせてアイスティが美味しいものと、ホットティが美味しいものがあるようだ。

シャンパンローズ

 もう紅茶の域を突破している。アルコールは入っていないけれど、ほぼシャンパン。ワインの香りに薔薇の香りとジャスミンのスッキリとした香りを合わせた新しい紅茶だ。私はあまりお酒を飲まない人間なのですが、これなら美味しく飲めるかも。きっとシャンパン飲む人も驚くと思います。優雅な午後のお茶会の雰囲気を楽しめる。 

京都四条の香り【人気No.18】

 「京都らしさを全面に出した変わった紅茶も作ってるのよ」と店員さんが、特別に出してくれたのがこの紅茶だ。なんていうか、名前がすでにヤバい。でも出された瞬間にたぶん多くの人が「ああ!」って納得してくれるんじゃないかと思う。京都の街でよく香っている空気のような、しつこくないお香のような。わかる? わからない?? 京都をいただいているかのようなとても面白い紅茶だった。

本日のまとめ

 実は、私はあまりフレーバーティが得意ではない。どこか違和感があって、人工香料を使っている独特の薬っぽさみたいなものが感じられるからだ。けれどムレスナティは全然違った。詳しい説明は忘れたが、人工香料は一切使っておらず、天然由来の香料を用いており、独自の製法を守っているという話を聞いた記憶がある。

 私は気が付いたらそのカフェで4時間くらい寛いでいました。そして紅茶はここで紹介していない分も含めると7~8種類ほど頂いた、完全に元取ってるな。(メニューをあまり見ていなかったけれど、本来何杯飲むことができるセットだったんだろうか……)私が店員さんとの会話を楽しみながら紅茶の飲み比べをして、究極のホットケーキを食べて思ったのは、店員さんとの何気ない会話も込々で考えると、2200円は別に高くはないなと。単純な値段以上に価値のある時間だったと、振り返ってみるとそう思います。

 正直、こんなにもお店の人との距離が近いお店は初めてでした。父に連れて行ってもらった京都の料亭もカウンター席しかなくて、そこでは料理の説明だけでなく、原産地の話、作り方等、その料理の魅力を面白おかしく、お客を楽しませながら話してくれるんです。きっとそれがカウンター席の魅力でなんでしょう。そしてその特別な魅力を引き出すのがカウンター席に最も近い場所を任されている店員さんなのでした。

 私はこの店に出会えて本当によかったと思います。一人旅で入ったお店でこんなにもリラックス出来たのは初めてのことだったかもしれません。店を出て、何か月も経った今でも忘れられないお店に出会えたというのはとても嬉しいことです。また機会があれば、もう1度訪れてみたいです。

 さてこのムレスナティ、Amazonなどで取り扱っていません。興味を持った方がいらっしゃいましたら、公式HPを載せておくので、Product(取扱商品)からcube boxのページに入り、是非私が紹介した紅茶のパッケージを検索してみて欲しいです。先ほどさらっと説明した社長手作りのパッケージの一部も見ることができます。

 また都内でもムレスナティを取り扱っている店舗があるので、是非機会がありましたら一度ムレスナティを飲んでみて欲しいです。これは間違いなく、今まで飲んだ紅茶の常識を変えるくらい美味しいので!

 

関連HP

ムレスナティ専門店「Kunitachi Tea House」

Kunitachi Tea House|店舗について|マザーズ レストラン - Mothers

The Tea Tokyo(場所は牛込神楽坂駅付近)

https://the-tee.tokyo/

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