空想島(6畳半)

空想をすることが、生きる糧となり地となり肉となり

「やってみたい」から、すべてが始まる

「なんか面白い事、ないかな……」って言わなくなった気がします。

 

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 というのも、今、ハマっていることがあるんです。それは小さなアナログゲームの主催者になること。主催者となり、参加者と一緒に1つの物語を完成させ、全員でそれを楽しむことなのです。

 そのゲームのジャンルは、TRPGといいます。TRPGとは「Table Talk Role-Playing Game(テーブルトーク・ロール・プレイング・ゲーム)」の略称で、ゲーム機やスマホなどのコンピュータを使わずに、テーブル(卓)を囲んで、紙とペンとサイコロなどの道具を使って、参加者とわいわいおしゃべりしながら、それぞれの役割を演じて紡ぐ対話型のアナログゲームのこと。

 今は据え置き型のゲーム機も、どこでも一緒に連れていけるスマホゲームがより取り見取り。お金のかからない一人遊びも含めると、たくさんの遊び方がある中で、私がたどり着いたのは参加者全員の日程を調整し、平日なら4時間、休日なら6時間ほど場所と時間を共有する壮大なごっこ遊び。

 人見知りで人との会話が苦手で、人混みの中にいるとなんだか疲れて頭痛がしてきて、飲み会に参加することがだるい私が、今それにハマッているだなんて夢にも思わなかった。というか存在自体を知らなかったから、遊びの選択肢にもならなかったというのがより正確な表現となるだろう。

 けれど、私はこの趣味に出会えたおかげで、今がとても楽しい。充実しているといってもいいかもしれない。だから、今日はこの趣味について語りたい。

 趣味というか、今現在ハマっていることのどこに魅力があると思っているのか、なぜ面白いと思うのかを自分なりに考察しつつ。もっと概念的な、抽象的な意味で、私が何をしている時に幸せを感じるのかについて話したいと思う。まぁこんなのは時間と共に変わっていくもんだから、現時点でって話ね。

人の数だけ物語があり、その物語の当事者になれる

 私はTRPGというジャンルのアナログゲームの醍醐味、最大の魅力は、ゲームに参加する1人1人の思いと言葉と選択が互いに影響しあって、その時その時間、このタイミングでしか出会うことの出来ない唯一無二の物語を紡ぎ出すこと。その場に立ち会えること、その世界、物語の当事者になれることだと思っている。

 簡単にまとめると、TRPGというアナログゲームの中には様々なシステムがある。そのシステムの中には無数の遊べるシナリオが含まれている。公式シナリオもあれば、コミケなどでシナリオ集が売られているように個人の自作シナリオも数多く存在する。

 そのシナリオを1回のセッション(平日なら4時間、休日なら5~6時間)かけて遊ぶ。その時のメンバーはシナリオの推奨人数によって違うが、プレイヤーは約4~5人。進行役、ルールの裁定、NPCの操作、タイムキーパーなどを一手に引き受けるGM(ゲームマスター)を含めると、5~6人のメンバーで遊ぶことになる。

 RPGという性質上、PL(プレイヤー)はそれぞれの世界観の中のPC(プレイキャラクター)としてゲームを楽しむことになる。
 現代日本に隠れ潜む忍者として人知らず任務のために暗躍したり、本来人が出会うことのない様々な宇宙的恐怖に晒されつつも生き残る一般人「探索者」となったり、人間に擬態できる怪異(モノノケ)になってゆるふわな日常を送ったり、本来の自分以外の何かになれるというのも魅力の1つかもしれない。

 この時集まるメンバーたちがどんな性格、能力を持つキャラクターを作るか、どんなロールプレイをしながらその世界を楽しむか、その過程がメンバーによって異なるため、同じシナリオなはずなのに全然異なる結末にたどり着くなんてこともザラだ。GMも含め「参加者全員」が協力し、全員が楽しむことで初めて成り立つゲームなのだ。

 私はそれがとても楽しい、面白い、やめられないと思う。
 特にGM(ゲームマスター)をやるようになって、その思いが強くなった。

TRPGは参加者全員で楽しむゲームだ、ということ

 とはいえ、初めからTRPG超楽しい!大好き!イエーイ!という状態ではなかった。

 私が初めてPL(プレイヤー)としてTRPGに参加したのは、2016年9月17日なので約2年前だ。その時は、人見知りなこともあってロールプレイがうまく出来なくて、それどころが参加者同士の会話や物語の流れを把握しながらプレイすることも出来なくて。声は震えるわ、手は震えるわ、動悸はするわで「楽しい」という気持ちより「私には難しい、無理だわ」って気持ちのほうが強かった。

 でもなんだかやっぱり興味がある。ロールプレイがうまく出来なくても楽しめないだろうか。ロールプレイが上手く出来ない人は、TPRGで遊ぶのを諦めなくちゃいけないんだろうか。そんなことを考えている時に出会ったのが、リプレイ動画だ。

 TRPGにおけるリプレイ動画とは、実際に行ったセッションの様子を録音などしておき、ニコニコ動画などでプレイして遊んでいる様子を映像作品として公開している動画のことだ。そこで出会った日本語読めない卓(ニコライ・ボルコフ氏による実卓リプレイ動画)とか酔っ払い卓(妙楽氏とその友人たちによる酒飲みながらの実卓リプレイ動画)のおかげで、「あ、なんか上手にやらなきゃとか難しく考えなくても大丈夫だな」と思えるようになった。これが私にとっては大きかった。まぁ実際には、周りのことを考えてプレイするのだけど。

 別に完璧にやる必要はない。だってTPRGは楽しむための娯楽なんだから。RP(ロールプレイ)を上手やること、それ自体が一番大切なんじゃなくて、全員でそのゲームを楽しめれば、それで最大の目的は達成したようなものなのだ。あとはまあ、人として当たり前の礼儀があれば大丈夫かなって。そう考えるだけで、私は少しだけ楽になれた。

やりたいから、やってみる

 私がGM(ゲームマスター)をやってみたいと思った動機は、とても単純だ。「遊びたい時に遊べるかどうかわからないなら、自分で卓を立てればいいじゃない」だ。「パンがないなら、ケーキを食べればいいじゃない」みたいな。全然違うけど。

 というのも、私がよく参加するのはオフラインセッションと呼ばれ、都内にあるTRPGが遊べるカフェに実際に集まって遊ぶことが多いのだけど、PL(プレイヤー)としてゲームに参加する時は、様々な課題をクリアする必要がある。

1.そもそも参加したい卓が開催されているか
2.その卓の日時が参加可能かとか
3.経験者向けか、未経験者や初心者歓迎しているのか
4.募集人数に対して参加希望者がどのくらいいるか

 だから遊びたいと思っても、人数が集まらなくて中止になったり。遊びたいと思っていても最近は卓が立たなくて、遊べないとか。様々な条件が合った時に参加できるゲームなのだ。開催できる奇跡、ありがとう。

 そんなんだったら、自分で卓立てればいいじゃないかと思い立ったわけです。あとはPLとして遊ぶことが増えてくると、プレイヤー側だけではなくてGM(ゲームマスター)として、つまりはゲームにおける神的視点を持ち、PLたちがシナリオを楽しめる環境や準備を整え、物語進行の手助けをしつつ、PLたちの紡ぐ物語の全貌を楽しむ側に回ってみたいという気持ちが沸き上がったのです。

 PLとしておっかなびっくり恐る恐る参加しているのに、GM(ゲームマスター)なんて会議でいう所の司会進行役みたいなもん。これが仕事なら死んでもやりたくないレベルで苦手なんですけれど、初心者ではあるけれどGM(ゲームマスター)としてデビューできたのも、TRPG仲間として知り合った方々の励ましと協力のおかげといっても過言ではない、と思っている。本当にありがたい

 特別な人間じゃないといけないとか、プロじゃないと出来ないとか、コミュニケーション能力がバリバリにないと出来ないとか、そういうことは全然ないのだ。

何している時が一番幸せか

 GM(ゲームマスター)をするようになって、このことをよく考えている。

 基本的に、GMはPLとは比較にならないくらい労力がかかる……らしい。シナリオを準備し、遊ぶ場所と参加プレイヤーの確保とスケジュール調整し、ゲーム進行に躓かないようにシナリオとルールを読み込んでおくことが必要で。それ以外にもシステムによってはNPCの立ち絵や戦闘データ、ハンドアウトを用意する必要がある。さらに当日はタイムキーパーもしなければならない。

 初心者がいれば遊び方の説明、世界観の説明、ゲームを遊ぶ時のルール説明などGMのやることは多岐にわたり、準備にかかる時間と労力はPLの比ではないのですが、私はこの作業をまったく苦に思いません。確かにRP(ロールプレイ)は下手くそで、ベテランGMに比べると拙いところがあることも事実ですが、それはそれ。誰だって最初は失敗するもんなので、気にしないことにします。

 当日になるとなんだかそわそわして「ああ、ちゃんとできるかな」とか「時間内にシナリオ終わるかな」とか「PLしてくれるって人たちを楽しませることができるかな」とか気になってきてしまいますが、準備している時はワックワクしてます。

 ああ楽しみだなとか、初心者GMだけど、参加してくださる人たちが楽しめるように精一杯準備しようとか、当日遊ぶことを考えると準備が楽しくて仕方がない。準備している時から当日のことを想像してニヤニヤしちゃいます。準備、超、楽しい!!

 最近は1か月後のセッションのためにカンペを印刷したり、チョキチョキ紙を切って工作したり。誰に頼まれたわけでもないのに黙々と作業して1日終わることもあります。でもそれが滅茶苦茶楽しいんですよ。そうやって準備したモノをPLさんたちと一緒に遊んで、セッション成功して、PLさんに「楽しかった!」って言ってもらえる時なんか感無量です。

 だからなんていうかな。


 私は物語を聞くことも好きだし(人の話を聞くことや、リプレイ動画見ること)、物語を読むのも好きだし(読書、日本仕事百貨やブログなどの読み物)、物語を作ることも好きだし(一次創作、二次創作、ブログで自分の考えをまとめる)、物語を全員で作って楽しむ(TRPGでいうところのセッションを行う)ことも好きで。『物語』に関することをしている時が、一番楽しいと今は思っている。

物語、物語っていうけど、それは小説だけに当てはまる話じゃなくて。もっとたくさん色々あると思うんだよねってことに気が付いた。

本日のまとめ

 というわけで、気になること、興味あることはバンバン調べたらいいし。やりたいなって思ったことがあったら、やってみるのがいいと思う。小さなことからでもいいから。そんで最初から上手にやれる人なんていないので、失敗は気にしない。周りに同じ経験をしている人がいると困った時に相談に乗ってもらえるかもしれない。

 上手く出来るとか出来ないとかは置いておいて、まずはやってみる。少しでも面白いな、楽しいなって思えることがあったら、それを続けてみる。続けていると仲間が出来て、居場所が出来て、もっと楽しくなる。楽しくなると上達することもあるかもしれない。そうしたら、私のように新しい世界が開ける(かも)しれない。

 

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