空想島(6畳半)

空想をすることが、生きる糧となり地となり肉となり

温泉旅館に履歴書送った話をしよう

そういえば、温泉旅館に面接に行った話はしましたっけ。

 

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……してませんね。
というかもう、私もいつ行ったっけっていう感じです。

確か、去年の初旬あたりに今やってる仕事がなくなるかも、そもそも会社全体の仕事が少なくなってきて、社員を切るわけにいかないから派遣社員を切るかも、みたいな噂があったんです。

あんまりバリバリ働きたくはないんだけど、だからといって今の仕事がつらくはないんで、今の仕事がなくなると困るんです。転職活動なんて出来る限りやりたくないですからね。そしてやりたくないことはできる限り避けたい。

そんなことを考えているもんだから、仕事なくなるかもっていう緊急事態に「やべぇ!」ってなってどうしたかっていうと、物語として好きな「日本仕事百貨」さんから気になる求人を選び、応募資格に「経験は問いません」と書いてあるモノに履歴書送った。

もう1年も前の話になるので、どんなこと話したかはあんまり覚えてないし、今の仕事が3年続いていることからわかるように、今回はご縁がなかったんですけど、それでもちょっと話させてね。結構衝撃的だったんだよ、私的に。

 

 高速道路が爆発炎上して、面接時間に遅刻

 まず書類選考があって、受かったら現地で面接っていうよくある流れで。いや~、受かるわけないわ~と思ってめっちゃ気軽に書いたら、スッと書類選考通って、面接の日程調整に入った。そして当たり前の話だが、面接は現地で行う。

 応募した温泉宿は、群馬県の四万温泉にあるとある温泉宿だ。距離的には頑張れば日帰りできる気がしたのだが、四万温泉に行くのは初めてだったので、もちろん1泊2日で宿泊することを選択した。温泉街をてくてく歩いて、旅行客がのんびりリラックスしている様子とか。普段はあまり気にしないけど、温泉宿で働いている人とかを見てみたかった。私は……面接に行ったのか、温泉旅行に行ったのかwww

 この時、第一の関門が私の前に立ちはだかった。そう、遅刻だ。私は面接時間に遅刻したのだ。遅刻した時間は、およそ2時間くらい。盛大に遅刻してるがなwww

 

なぜか。

 

 なんか高速道路がこういう時に限って、爆発炎上したからだ。高速バスで外の景色を見てたら、黒い煙がもくもくと盛大に見えた。「近くに工場でもあんのかな」って思ってたら、前方で車が燃えてた。ギョッとした、けれど乗っていたであろう人たちは無事だった。それだけが幸い、面接的にはヤバいけど。

 でもこれは高速道路あるあるで、仕方ないというか。面接時間から逆算して前日にINしておくべきだったのかもしれないけれど、まぁ悔やんでも仕方がない。私には高速バスに揺られて寝るくらいしかできない。そんでどうしたかというとサービスエリアに入った瞬間に宿に電話して全部説明して、面接時間をずらしていただけるかどうかを伺った。

 社長さんがとても心の広い方だったので、大丈夫だった。

 

ご縁がなかった理由

 面接では簡単に自己紹介したくらいで、あとは始終和やかだった。志望動機を聞かれたかは定かではない。たぶん聞かれて答えたと思う。けれど、ほぼ雑談だったんじゃないかっていう感じ。

 具体的な仕事内容や働いている社員の皆さんたちのこと、何を目指して温泉宿を継いだのかとか、社長さんが目指すもの。新しい温泉旅行の形を模索して、新しい企画を練っている最中だという話。あとは私が今している仕事とかブログとか温泉旅行の話とか。たぶん結構盛り上がったんじゃないかなぁ。

 「で、いつから働けますか」的な話にもなったんですけど。派遣社員で今働いている仕事には契約期間ってやつがあります。まあ他の人にもあると思いますけど、基本的には私は3か月更新です。その3か月更新の時に、仕事続けますか?やめますか?みたいなのがあります。最近はないけど。だから更新月に継続しませんって言えば、「働けますよ」って答えたんです。で、その時の更新月がちょうど2か月後だったんですね。

 でも温泉旅館的には「今」「今この時!」働ける人を探していたのです。だから社長さんには「今すぐにでも働けます」という話だったら「永眠人形さん、採用でした」って言われました。うーん、これは仕方がない。

そういうわけで、なんか重い腰を上げて行った面接(1泊2日の温泉旅行)は採用には至らなかったわけです。まぁ温泉宿の社長と1対1で話す機会なんて滅多にないので、色々お話出来てとても楽しかったです。あと働くっていう目線で、温泉街を散歩するのも中々面白かった。宿それぞれの接客の特色とか、笑顔とか気遣いとか、味があって。

 

本日のまとめ

 面接の終わりに、社長さんに言われたことがあったんですよ。なんか詳細はほぼ覚えていないので、だいぶ私の着色が入るんですけど。

「廃れていく温泉と、生まれ変わろうとする温泉があって、どこも温泉宿は高齢化と人手不足にあえいでいる。都会にも様々な仕事がある中で、わざわざ地方の温泉に興味を持って、それに関わる仕事を選択しようと思う若い人は本当に少ないから、需要がある。大々的に求人募集はしていないけど、人を欲しがっているところもたくさんある。だから温泉に関わる仕事がしたいなら、究極的には僕のところである必要もない。また温泉と一緒に働きたいと思ったら連絡をください。仕事を紹介します」

 という感じのことを言ってくださいました、まあ多分お世辞だと思うけど。これでもし本採用されてたら、私は東京の実家を出て、四万温泉の温泉旅館のすぐ傍にある社員寮で生活することになっていたので、人生ガラッと変わりすぎというか。好きなTRPGも気軽に出来なくなるので、今はあの時ご縁がなくてよかったと思っています。

でもあの面接の社長の言葉は、心に残っています。
本当に仕事があるかどうか、その時に採用されるかなんてわかんないけど。
なんとなく、ほんの少し働くことに対して楽観的になれるかなって。

それは万が一今の仕事が終了して、転職活動をしなくちゃいけなくなって。仕事が見つからなくて、「私って……ホントクソ」とか思って鬱になりかけた時とか。私にとっての仕事に対するトラウマに流されそうになった時の、選択肢として。まったく異なる、未経験の異業種。それどころか東京からもおさらばだ!っていう選択肢も、別にあってもいいよねっていうお話。

本当にそうなるかどうかはわからない。
今はあまり旅館で接客業っていうのは考えてないね。
でも私にはなんのスキルもないからこの仕事しかできない……とか。何もできない私を拾ってくれた社長の言う仕事をやろう……って思考停止してるのとか。そんなの、昔、新卒で入社した会社4か月で辞めた時となんも変わってないからね。

だから可能性がある(かも)しれない、今まで考えもしなかった、見向きもしなかった新しい選択肢をなんとなく見つけて、アンテナ張っておくってのも、自分の視野を広げるって意味で大切なんじゃないかって思うのだ。