空想島(6畳半)

空想をすることが、生きる糧となり地となり肉となり

囲碁教室に3か月通って、棋力20級の認定証を貰ったよ

普段やるゲームはテレビゲーム、パソコンゲーム、スマホアプリが多いけれど。老若男女問わず、年代の垣根を越えて、誰でも一緒に楽しめる。そんな一生もののゲームができるようになりたかった。私にとっては、それが「囲碁」だった。

ヒカルの碁完全版 20 (愛蔵版コミックス)

 4年前に「IGO AMIGO」という囲碁体験ができる1日限りのワークショップに行ったことがあったのだけれど、当時ニートで先立つものがなくて。単発参加だとどうしても囲碁の面白さを伝える導入部分しか体験できない。そうじゃなくて、もっと本格的に19路盤の盤面での囲碁がやりたかった。

 

 やりたいと思っていても中々集中して取り組む時間が作れない。やろうと思い立った時にやらなければ、いつやるんだと思ったので。2017年1月~3月までの3か月間、囲碁を全くしらない人を対象とした囲碁・入門クラスのある囲碁教室に通ってみることにした。毎週金曜日の夜、会社帰りに囲碁教室。今日はそんな生活をしてみた感想を紹介したいと思う。

 囲碁に興味を持ったきっかけは「ヒカルの碁」

 漫画をきっかけに新しい世界に興味を持つというのは、よくあることだ。囲碁をテーマにした「ヒカルの碁」、将棋をテーマにした「三月のライオン」。漫画というのは一見とっつきにくいと思われる遊びの敷居を下げ、一大ブームすらも巻き起こす。

 

 けれど私が「ヒカルの碁」を見ていた時は、さほど囲碁に興味はなかったように思う。たとえ囲碁がわからなくても漫画もアニメも十分楽しめたからだ。けれど「囲碁がわかるようになると、漫画もアニメも今の何百倍も楽しくなる」という話をどこかで聞いたことがあって。漠然と、そうなりたいなと思ったのだ。

 

吉原由香里・王唯任・万波佳奈の囲碁教室

 囲碁教室と一言で言えども、都内のあちこちに無数に存在している。初心者や入門者募集を謳うわりに、いきなり19路盤からの基礎を教えるところも多い。そんな無数に存在する囲碁教室の中で、自分に合った所を選ばなくてはいけない。私が最も重視したのは、囲碁を全く知らない人でも丁寧に教えてくれること。あとは会社と自宅との距離を考えると通いやすいこと。そして料金、全部じゃん。

 

 いろいろ考えた結果、教室の雰囲気を体験できる初回体験があり、クラス別の少人数制で実際に活躍しているプロ棋士の方が講師を務めている、吉原由香里・王唯任・万波佳奈の囲碁教室に決めた。ご存知な人もいるかもしれませんが、吉原由香里さんはヒカルの碁の囲碁を監修しているプロ棋士ですね。

 

 私が通ったのは囲碁を全く知らない、もしくは独学で本を読んだことがあり、ルールを少し知っているけれど、19路盤デビュー前の初心者クラス。3か月の間に囲碁のルールを学習し、講義と9路盤や13路盤を使った対局と演習を繰り返しながら、最後にはプロも対局している19路盤デビューを目指す。

 

ちなみに料金は初回体験は1500円、1回の受講料3000円。単発で参加する場合は1回3500円。会員証のスタンプが10ポイント溜まったら、次回1000円割引券として使用できる。

 

人生初の「碁会所」

 小学生の頃にピアノ教室だったり、そろばん教室に通ったことはあったけれど。自分のお金を使って、自分の趣味のために、教室に通うというのは初めてだった。しかも碁会所、普段生活している時にはまったく気にしたことのなかった空間だホームページを見て、清潔で綺麗な空間であることはわかっていたけれど。

 

 やはり初めの一歩というのはいつだって緊張した。まぁ結論としては挨拶さえしっかりしていれば、案外大丈夫だった。金曜の会社帰り、集まっている人たちはスーツ姿のサラリーマンが多いけれど若い人たちも結構いて。和気あいあいとしたアットホームな雰囲気だった。少ないけれども女性もいて、けれど見た感じ、私が最年少っぽかった。

 

「会社」と「家」以外の関係を作れる

 少人数制というのが特によかった。講師と生徒の距離が近くて、わからないことを質問しやすかったように思う。年代も性別も職業も異なる人と初めましてだとしても、「囲碁」という共通の話題、コミュニケーションツールを用いて仲良くなれるかもしれない。家と会社を往復するだけの毎日を送っていた私にとって、新しい世界、可能性の扉を開いたかのような、そんな気分になったことを覚えている。

 

金曜の会社帰り、一週間の疲れが溜まっているにも関わらず。囲碁教室に行くとついつい囲碁が楽しくて、疲れた頭を動かしてしまう。やればやるほど囲碁の楽しさを知り、やればやるほど1週間に1度の教室では足りない気がしてしまう。そんな長いようで短い濃厚な時間を過ごせたと思う。

 

プロ棋士と指導碁

 1月期教室の集大成として、最終日はプロ棋士相手に指導碁を打つ。学んだことを実践で生かせるか、棋力を計る最終試験みたいなものだ。これは19路盤デビューしたての私たちも含め、全てのコース一斉に行う。

 

 つまりは生徒全員vsプロ棋士。私たちは自分の盤面だけに集中すればいいがプロ棋士の方々は10~15面打ち状態だ。一手目から打ち始め、実戦形式で囲碁の基本である定石を打てるか、石の生き死にが関係する場面で相手の石を殺し、生きることができるかなどを判断して、これだと思った手を打っていく。

 

初めは全員同じ形から始まったはずなのに、気が付いたら全員が全員まったく違う模様を描き出していて、盤面に鎮座する石が増えれば増えるほど戦いが複雑になってきて、もうわけがわからない。けれどそれがとても楽しい!

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 これが実際に私が打っていた盤面。黒が私、白がプロ棋士の方。まだまだ序盤で「ここは私の陣地だ」と互いが主張しあっている段階。もしくは互いの石がぶつかりあって一戦触発な場面もあったりする。一手一手、慎重に、自分の石がつながり合って生きるように打つ。

 

時々「どうしてこの手を打ったのか」という質問がきて「こう思った」と返せば、そのまま打ち進めると形勢が悪くなるという例を見せてくれ、「別の手を探してみよう」と
指導が入ったりする。練習と実践はまったく違うし、どこが今手をつけるべき場所なのかすぐにわからなくなるので、とても勉強になるし、奥が深い。

 

本日のまとめ

最終的には終局までいかずに時間切れだったのだけれど、その後相手をしてくださったプロ棋士の方から講評をいただく。お世辞も入っていると思うけれど「囲碁を始めて3か月でここまで打てれば十分すぎる」とのお言葉をいただいた。チョー嬉しい。

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そしてこれが、実際にいただいた、棋力20級の認定状。


 まだまだ不安はあるけれど、なんとか本当に19路盤デビューのスタートラインに立つことができた。囲碁教室に通い始めた時はは最終的に19路盤デビューできる?嘘でしょ?と思っていたけれど、あれは嘘ではなかったのだ。


本当は入門教室終了後に基礎教室に通って、もっと囲碁の勉強がしたかったのだけれど。仕事が忙しくなったり、資格試験の勉強をしなければならなくなり、今はすっかりご無沙汰状態。また基礎からやり直しかなと思ったりしますが、これからも囲碁は続けていきたいと思っています。周りに囲碁をやる人がまったくいないので、もっと囲碁人口増えてほしい今日この頃。

 

囲碁手筋 基本のキ 正しい攻め方守り方 (囲碁人ブックス)

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