空想島(6畳半)

空想をすることが、生きる糧となり地となり肉となり

本棚の10冊で、心境の変化が見える気がした

秋晴れのような快晴のシルバーウィーク、いかがお過ごしでしょうか。

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いつだったかどこかで「今年は冷夏になるでしょう」と聴いたはずなのに、実際にはとても暑かった。だからなんとなく、残暑が厳しいんじゃないかなーと思っていたら雨。「夏はもう終わったの?」と思うような寒さと「まだオレのターン!」という蒸し暑さが交互にこんにちは。そんな感じで時々体調を崩したりしていたけど、少しずつ秋めいてきたような気がします。

ということで「秋」といえば読書の秋という言葉があるように。

「本棚晒し祭り」だったり「本棚の10冊で自分を表現する」みたいな、そういう季節の流れみたいなものに乗ってみようと思います。本棚を晒すことは出来ないけれど、その中の10冊くらいだったらいいよ。

それではいってみよー。

キノの旅:時雨沢恵一

キノの旅 the Beautiful World<キノの旅> (電撃文庫)

キノの旅 the Beautiful World<キノの旅> (電撃文庫)

 

 全巻揃えている、今年10月に新刊が出るのがとても楽しみなシリーズ。

今では登場人物たちだったり、それぞれの物語や登場する国に思い入れがあって話を覚えている部分もたくさんあるけれど、久しぶりに読んでみると新鮮で飽きない。でも一番初めは黒星紅白さんのイラストが好きっていうジャケ買いだったような気がする。

 

(ニコ):タカハシマコ

ニコ完全版 1 (アクションコミックス)

ニコ完全版 1 (アクションコミックス)

 

全てを捨ててどこかに消えてしまいたかった頃に読んでいた本。

思春期の少年少女たちの日常、誰にも言えない思い、自分の殻に閉じこもる鬱々した気持ち。閉鎖的なクラスでの息の仕方、生き方に悩む、心に潜む闇をリリカルに描いた作品。全体的にちょっと暗め。悩みながら前を向くシーンもあるよ。

 

度胸をつける本ー勇気がわきでる88の法則:桜木健古

度胸をつける本―勇気がわきでる88の法則

度胸をつける本―勇気がわきでる88の法則

 

 いつこの本を買ったのかは今でもはっきり思い出せる。

中学生の頃、どこかに遊びに行こうとして駅に続く道を歩いていたら、端っこに小さな本屋を出している人がいて、その本屋で出会った。

普段は目も向けずに通り過ぎる怪しい本屋で目に入ってきた本を買おうか買わないか迷って、迷いに迷って、何日もまだ売れてないまだ残っていると確認し続けた末に買った。古本だったからなのか60円だった。

自分を罵りながら泣きながら読んだ気がする。今でも別に自分に自信があるってわけじゃないけど、もう読まなくても大丈夫。

 

戯言シリーズ:西尾維新

クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社文庫)

クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社文庫)

 

 1巻~2巻くらいまでは王道のミステリー系なのかなと思っていたら、物語が進むにつれて名前も性格も個性的過ぎるキャラクターたちによるバトルがメインになり、ミステリー要素が途中でほぼ消滅した、当時から考えるととても異質な作品だったような。

魅力あるキャラクターと言葉遊びのようなテンポのいい会話だけで全てを読ませてしまうような所が好き。でもあの独特の作風はハマる人とまったく受け付けないって人が分かれるかもしれないな。

 

おちゃらけ王:朽葉屋周太郎

おちゃらけ王 (メディアワークス文庫)

おちゃらけ王 (メディアワークス文庫)

 

 メディアワークス文庫は時々読むのだけれど、その中でもお気に入りの作品がこちら。超がつくほどの大馬鹿者と不思議な住民たちによる始終爽快感しかない、読んでいて楽しい話。

年に1度開催されるしっちゃかめっちゃか何でもありの怒涛のお祭り話なので、夏に読むのがオススメ。大声で笑って、走り回って、転げまわるなんてことしないから、なんか羨ましく思ってしまう。私はそういうの、できないからなぁ。

 

ナイトメア☆チルドレン:藤野もやむ

ナイトメア・チルドレン 1 (BLADE COMICS)

ナイトメア・チルドレン 1 (BLADE COMICS)

 

 邪眼(イーヴル・アイ)と呼ばれる特殊能力を持った瞳の子供(ナイトメアチルドレン)と親友だった少年少女を巡る物語。藤野もやむ作品の中では一番のお気に入りと姉妹の中で満場一致。

良くも悪くも漫画の中で多くは語らず、読者側にこういうことを考えていたんだろうか?と想像させる余地を多く残している作品が多いような。言い方を変えると、作者だけがわかってる系。

でもこの本がきっかけで「賢者の長き不在」「はこぶね白書」「忘却のクレイドル」を揃えることになったのだから、読んだだけで全てがわかるような物語よりはちょっと複雑で、考えさせられる話が好きなのかも。

 

あずまんが大王:あずまきよひこ

あずまんが大王 (1) (Dengeki comics EX)

あずまんが大王 (1) (Dengeki comics EX)

 

高等学校を舞台にした学園物コメディで、何気ない日常生活をメインに描く作風は当時は珍しかったのではないかと思う。

本名を忘れがちな大阪が好きで、私が大学受験をする際には大阪が真面目にやっていた割り箸占いをやり、「あの大阪ですら大学生になれたのだから私でもいける」と本気で思っていた。

毎日の日常を大切に、それでいて楽しく生きることが出来たらいいなって。

 

タビと道づれ:たなかのか

タビと道づれ 1 (コミックブレイド)

タビと道づれ 1 (コミックブレイド)

 

海が近く、山の上に展望台があり、田舎の家の間にある路地裏が魅力的な緒道が舞台。数年ぶりに帰ってきたかつて住んでいた街が、外部から隔絶されて夏の1日だけを繰り返す奇妙な街に変貌していて、移動できる道と出来ない道がある。

その街の謎を解く中で、自己評価が低く後ろ向きな性格の主人公であるタビが周りに助けられながら、少しずつ前向きな方向へと成長しはじめる様子に元気を貰う作品。どこか懐かしい街の雰囲気と、たどたどしいやり取りが好き。

 

COADVENTURE サモンナイト画集:飯塚武史

Coadventure―飯塚武史サモンナイト画集 (ジャンプコミックス)

Coadventure―飯塚武史サモンナイト画集 (ジャンプコミックス)

 

そしてここで画集をぶち込むっていうね。画集は高いからあまり買わないのだけれどBLEACH、サモンナイト、キノの旅などの画集を持っていて、本棚の上に飾っている。創作小説を書いていた頃なんかは1枚のイラストを眺めて、そこから空想を膨らませるのが楽しかった。

サモンナイトはペルソナシリーズよりも長く楽しんで、周回プレイしまくってきたゲームなので、思い出深い。来年の春に新作のサモンナイト6が出るとのことで期待してもいいのだろうか。

 

麦の海に沈む果実:恩田陸

麦の海に沈む果実 (講談社文庫)

麦の海に沈む果実 (講談社文庫)

 

 ミステリー小説が好きになった一番初めのきっかけをくれた作品かもしれない。

三月以外の転入生は破滅をもたらすといわれる北の湿原地帯にある全寮制の学園に二月最後の日に転入した主人公理瀬と学園で起こる不可解な事件を巡る物語。

他作品の「三月は深き紅の淵を」や「黒と茶の幻想」などおおっぴらには書かれないが、読んでいる人ならわかる類似点や同名の登場人物が登場する伏線のような物語もあり、ひそかに物語は息づいている感じがすごく気に入っている。何度読んでも面白い。

 

本日のまとめ

という感じで、本棚の中で埃かぶっていた本を引っ張り出してきて流し読みしたり、今ある本棚の本で自分を表現してみたつもりなんだけど、どうだろう。

見た感じでは自分に足りないモノを補ったり、大切なことを思い出せるようにしてたり。まぁ、結構重そうで暗い話、多いなって。それだけ情緒不安定な頃もあったんだなって思い返した。

今だってそりゃ悩みもあるし、人にはなかなか相談できないこともあったりするけど。それほど深刻に考えすぎないようにしている。なんでもないような、当たり前のような気がしてついつい軽視してしまうような日常を、誰かと一緒にまったり過ごしていけたらいいなって思っている。

旅をするように生きるなんていったら、格好つけすぎか。