空想島(6畳半)

空想をすることが、生きる糧となり地となり肉となり

ニヤニヤが止まらない『ヲタクに恋は難しい』を読んで

ふと去年書いた記事を読み直していたら、去年の時点での私は「4月という新しい門出の日にどこにも行けない」なんてことを考えていました。どこにも居場所はないし、だからといって働くことが怖くて仕方がなかったんです。

それと比べると今年は「別にどこにも行けないってわけではないんだな」と思えるようになった。それが去年との違いで、良い意味での環境の変化と心境の変化かなぁと改めて考える今日この頃。

さてそんな今年4月で一番楽しみにしていたのが『ヲタクに恋は難しい』というマンガの発売でした。ということで今回は、自分自身感じたことを交えつつ内容を簡単に紹介したいと思います。

ゲーヲタ(廃人レベル)×隠れ腐女子

本作『ヲタクに恋は難しい』は、pixiv内オリジナルコミックブックマーク数歴代1位を獲得し、"本にして欲しいWebマンガ第1位"に輝いたふじたさんが描くWebマンガです。私も作品の存在を知ったのはpixiv巡回がきっかけだったように思います。当時から凄まじい人気っぷりで、不定期に1ページずつUPされるのを毎日待機しているのが楽しみでした。

ヲタクに恋は難しい (1)

隠れ腐女子のOL・成海が転職した仕事先で幼馴染のルックスよく有能だが重度のゲームヲタクである宏嵩と再会したところから始まる不器用な恋愛物語。

ヲタクであればついつい共感してしまう、わかるわぁと感情移入するような、それでいてニヤニヤが止まらないシチュエーション、成海と宏嵩の息の合ったテンポの良い会話、恋愛に悩む女の子の葛藤なんかも含まれていて。

恋愛系のマンガはあまり読まない人間なのですが、とても面白いです。けれど正直な話、電車の中で読むのは危険な部類のコミックです。ポーカーフェイスを装えない人はマスクを装備しましょう。

あなたの地雷はどこから?――私はここから。

いつもであればネタバレは極力避けて内容紹介をするのですが。単行本には50p以上の書き下ろしが詰まっているとはいえ、pixivでも一部の話を読むことが出来るので、今回は私の好きな場面を1つだけ紹介したいと思います。

私が好きになる人ってクズみたいな男ばっかだからなぁ

…なんでいつも間違えちゃうんだろ

乙女ゲーの分岐は間違えないのにね

それな

読んだ瞬間―――わかるってなった。思わずPCの前で頷いた。 

乙女ゲーなんて今までの人生のうちで1度しかしたことないけれど、シミュレーションRPGとかゲームの中である特定キャラの好感度をあげて、夜会話をしてキャラENDを獲得する要素のあるゲームはよくやってきた。選ぶべき選択肢は4つのうち1つというゲームの中だから出来ることだけれどね。

私はそんなに恋愛経験ないんであんまり実感として感じることではないんだけれど、時々親友からの恋愛相談を受けたりしていると、現実はそんなに簡単なことじゃないなぁということをひしひしと感じる。わかってる……わかっているともさ。

ここでは台詞を1部抜粋するだけにとどめますが、pixivにも公開されている部分の1シーンなので、是非隠れ腐女子である成海のいかんともしがたい表情に注目してください。その表情に全てが詰まっています。

そういう、なんか、ヲタクでなくても感じたことがあるだろうシチュエーションがガッツリ詰まっているので、見る人によってはSAN値がいっきに蒸発しかねない。危険。

本日のまとめ

わたしが恋愛系の初々しい少女マンガをあまり読まない理由。あまり真面目に考えたことはないのだが、たぶん恋愛における感情の揺れ動き、不安とない交ぜになっていく痛々しさが苦手なのだと思う。

そして痛いと感じるということは、私の中にも効果はバツグンだみたいな弱点が存在するということで、そこを直視したくないからだと自己分析している。だから恋愛系のマンガはよほどのことがなければ避けて通る。

けれど『ヲタクに恋は難しい』を読んだ時、そんなことは1ミリたりとも考えなかった。リア充していて羨ましいですねクソが!みたいなことも考えなかった。

主人公たちの等身大の姿、彼女たちなりの恋愛模様を見ていると素直に頑張って!と応援したくなる。そんな魅力がたくさん詰まっている作品だと思っています。もし興味がある方がいれば、是非読んでみると良いと思います。オススメです。

①ってことは、②も出るんだと信じています。