空想島(6畳半)

空想をすることが、生きる糧となり地となり肉となり

「できない理由より、できる方法を!」

1週間の神山塾が無事終了した。半年間の神山塾をギュギュギュっと圧縮した、けれど盛りだくさんの濃い毎日でした。仕事をしていないということもあって、普段は外に出て人に会うことに消極的になってしまう私ですが、外から来る人を両手広げて受け入れてくれる神山町の人たちに出会い、話を聞き、一緒に活動し、共に笑う。時間に追われ、自分が何を求めていたのかすぐに見失って迷子になる私に「ココだよ!」と声をかけてくれたような気がしている。

記事タイトルに選んだ言葉は神山プロジェクトの指針とも言うべきキーワードなのですが、私の胸にも刻み付けたいそんな言葉です。心にほのおが灯る。そんな感覚に戸惑いながらそれでもそれが嬉しくて仕方が無い。ということで、今回私が神山塾に参加してよかったこと、印象深かったことなどについて、忘れないうちにまとめておきたいと思います。

 進もうとする方向に灯りをともすのは自分なのかもしれない

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神山塾に応募して実際に参加するまで、私の前には大雑把に言って2つの道しかなかった。1つは一番現実的で、今すぐにでも取り組むべき急務、生活のため&お金のための仕事。新卒4ヶ月で会社を辞め、3ヶ月単位で仕事を転々としている私は即戦力には多分なれない。仕事としてできることもない、わかっている。だからできる(かも)しれないことから始めて、我慢しながら耐えるしかないのか。もう1つはそれ以外の道があるのではないかという妄想。逃げの選択肢。ただもやもやしているだけで具体的な形は見えていない茨の道だ。

現実的な道に進むのがなんとなく嫌で。嫌なことから逃げる楽な道に通じるヒントをつかみたいと甘いことを考えていたけど。気がついたら正反対のヒントを見つけていた。だってどの仕事だって即戦力にはなれないのだ。だったら間口を狭くして、自ら選択肢を狭めてしまうのってもしかしたら勿体無いことなんじゃ?

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勿論いつまでもあれがやりたいこれがやりたいと考えていても、行動しなくちゃ意味が無い。やりたいことがあったらやってみる。自分の経験値を増やすため、生活のため、新しい関係を作るため。それでいいのかもしれない。だってその仕事をする意味は私が持つもので、そこに正解不正解はないのだ。興味のある仕事があったら(経験はないかもしれないけれど)アポイントメントを取ってみたり。小さく小さく挑戦することなら私にも出来そう。

全国で注目されている徳島県神山町のここ最近の出来事(IT企業によるサテライトオフィスや国内外から芸術家を招聘し創作活動を支援するアート・イン・レジデンス、地域の担い手育成の神山塾)も、当時はこんな形になるとは予想していなかったという。目の前にある課題をどうすれば解決できるか、自分たちの住む街をどうすればよりよくしていけるかを行動していた結果だと聴きました。

1番始めの出来事がどうつながり、何に派生していくのかは誰にもわからない。自分ひとりしか支えられない橋を改築して、夜になったら渡れない橋に灯りをともし、枯れ木の絡みつく道に草花のアーチを作ってみる。やりたいことがあればやってみる「できない理由より、できる方法を」その繰り返しでいいんだなと思えるようになった。それが、私が神山塾に参加することで感じたコトであり、一番の収穫です。

神山らしさは、どんな「ヒト」が集まるかで生まれた。

1週間という短期間、神山塾の研修生として徳島県神山町でお世話になって最も印象に残ったのが、この町のヒトたちは皆とても優しいということでした。

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この町が国内外からの芸術家を受け入れるアートプロジェクトを開催していて、外からヒトが訪れることに慣れているということも勿論あるのだと思うけれど。仕事の合間に自分たちの取り組みを紹介したり、農林暮らしを体験させてくださったり、休んで家でゆっくりしたいはずの土日を返上して、私たちに少しでも神山のことを知ってもらいたい、楽しんでもらいたいと手を尽くしてくださる。大切なことを伝えよう、与えようとしてくれる。こんなに嬉しいことはない。

新しく街に来たヒトを温かく迎え入れてくれて、ガッシリと力強く、まるでエネルギーを注ぎ込むように握手をしてくれて、全力で手を振って帰りはまた来てねと笑顔で送り出してくれる。そんなヒトが本当にたくさんいるのだ。

記事のタイトルになっている言葉は、NPO法人グリーンバレーの大南信也理事長の言葉なのですが、本当にこの言葉通り。神山をよりよくしたいと思って活動するパワフルなヒトたちに惹かれて、きっとこの街にいろんなヒトが集まってくるんだろうなと思いました。

1週間じゃ、まだまだ足りない。私にも足りないところがたくさんあるけれど。また夏など季節が変わった時に、遊びに行きたいと思える場所が増えました。サテライトオフィスならぬサテライトハウス。日本全国、いろんな場所に帰る場所が出来たら、それってとっても楽しいことだと思います。

 

今日のまとめ

言いたいこと、感じたことが湯水のように溢れてきて、うまくまとまっていないかもしれない。けれど、どこか違う場所に行って、異なる考え方・生き方をするヒトに出会って受けた刺激や胸に滾る炎はせいぜい48時間くらいしか持たないと聞いたので、感情溢れるままに書いている。

「有難うございました、1週間お世話になりました」と別れの言葉を言った時は、それほど寂しいと思わなかったのに、夜行バスで帰宅した次の日になって感情が追いついてきた。私にとっては本当にキラキラした夢のような、現実とはかけ離れたところにある1週間でした。

参加者の一人が「これが終わったら現実に戻るんですよ」と話していたけれど、一見つながらない私たちの生活とあそこで日常的に起こっている変化を(神山に移住するとかそういうこととは別に)繋げて考えることが出来るかどうかはきっと今後の私たちの行動次第なのだろう。

ここには詳しく書きませんが、神山塾に参加したことでやってみたいことが出来ました。また神山に遊びに行く時は、今の自分とはまた違った、新しい自分を見せられたらいいなと思います。

1週間お世話になりました、またお会いしましょう。

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