空想島(6畳半)

空想をすることが、生きる糧となり地となり肉となり

突然だけど、ちょっと徳島県神山町に行って来る

仕事を探すとき、何を使って探すだろうか?

私は「仕事の達成感はお客様に満足して頂けた時です!」とかいう新人社員たちの(人事や採用担当である人に睨まれないための)嘘っぽい建前を載せる求人を眺めるたびに就職活動に嫌気が差していたし、登録だけして滅多にサイトを閲覧しなかったように思う。代わりといってはとてつもなく失礼だが、私が大学生時代に仕事や働くことを考える上で重宝してきたのは「日本仕事百貨」という求人サイトです。

本日は「日本仕事百貨」の求人がきっかけで徳島県神山町に行ってみることになったので、その経緯を説明しつつ、なぜ徳島県に行くのか、何を求めて何のために行きたいと思ったのかについて出発する前に簡単にまとめておきたいと思う。

きっかけは日本仕事百貨

大学時代、「日本仕事百貨」という変わった求人サイトに出会った。

生きるように働く人の仕事探し「日本仕事百貨」

掲載する企業を実際に訪問してどんな仕事を、どんな人たちが、どんな思いでやっているのか、それが伝わってくるような求人を作成して掲載している。将来働くかもしれない企業や仕事というのは、リクナビやマイナビに掲載されているモノが全てではない。もっといろんな仕事や会社があるということを知る上でとても役立ったサイトです。(ただし既卒、社会人経験ありが対象の求人が圧倒的に多いので、単純にコラムなどの読み物として楽しんでいた。)

そこでずっと気になっていた求人があった。徳島県神山町を拠点として活動しているNPO法人グリーンバレーが行っている「神山塾」だ。求職者支援訓練制度を活用したもので、失業した人や大学卒業後も未就労の人を対象に、就職に役立つ知識や技能を無料で習得できる訓練制度のもと運営されている。まぁ対象はその土地でいわゆる起業したい人とかなんだろうけれど。徳島県神山町で働くなんて想像もできない、普通に大学卒業しただけのニートにはムリだろう。というかそもそも半年間、見知らぬ土地でやっていける気がしないし、お金もなかった。

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けれどなんとなく行ってみたかった。そこに行くだけで何かが変わるなんてことはないと思う。これを機会に立ち返って自分がどうしたいのか、何がしたいのか何もしたくないのか考えたい。外に出て、自分で体験して、自分から話しかけて、恐る恐るでもいいから関わって。そうすれば家で立ち止まっているだけの自分が、少しだけ前に進める気がしていた。

けれどね、半年は長すぎて勇気が持てなかった

そう、この神山塾。通常は半年間、徳島県神山町で生活しながら行われている。ハローワークに求職申し込みをして、受講申し込み手続きをして、さらに面接を経て徳島県神山町で生活しながら半年間という(人によっては短い時間)期間に受講する方式だ。この半年間という時間は、とてもハードルが高かった。これに参加したからといって仕事が見つかるわけでもないし、何かが劇的に変わるわけでもない。わかってる。

この半年間を実りある有意義なものとするか、ただの時間の無駄として浪費してしまうかは自分の取り組み方次第だと思うのだが、それでも私は行くという勇気が持てなかったのだ。色々言い訳を積み木のように積み重ねているが、まぁ結局は半年間を無駄に過ごしてしまいそうな気がして、そう予感するまでもなく予想できる私がいたのだ。だから行きたいなぁと憧れのように思っても実現することはない。一生ないのだと思っていた。

神山塾、短期集中研修?―勿論、即応募した

私がニートし始めた12月上旬。偶然TL上に日本仕事百貨さんのツイートが目に入った。何が書いてあったのか忘れたが、いつもは垂れ流しているツイートをクリックしてリンク先を見て、それが神山塾の6泊7日、通常半年間で行なう研修を1週間という短期間で凝縮して行なう告知だと知った。

即応募した。

実際には文章を舐めるように読んで、自分の預金通帳と相談して、カレンダーとにらめっこして。1日悩んだあげく”今は働いていないニートで、でも働きたくて、でもどうすればいいのかわからない。ちょっと人生に悩んでいて生き詰まっているので、この1週間で仕事と働くことについて見つめ直したいんです、その機会をください”とかいうなんかよくわからない思いの丈をぶち込んだ志望動機を書いて、応募した。

もしかしたら先着順だったのかもしれないし、なんらかの書類審査があったのかもしれないけれど。後に担当者さんからメールを貰い、日程を選び、明日からの研修に参加できることになった。

本日のまとめ

というわけで、本日夜行バスに乗って徳島県神山町に向けて出発します。

宿泊滞在型研修は1月20日(火)~1月26日(月)までの6泊7日で行なわれます。1週間という期間はすごく短い。話を聞いたり、見学したり、暮らし体験をしたり、蒔割りや農作業や空家活用プロジェクトなど具体的なカリキュラムがみっちりある。田舎だけれどIT企業がたくさんあって、神山塾の修了生が店を開いているなど、活気溢れる神山町の生活を見て体験できることなんて滅多にない。

どんな人が参加するのだろう。6泊7日の合宿形式、うまくやっていけるだろうか。宿泊施設の写真をちらっと見たけど、夜のトイレは花子さんが出そうで怖いとか。いろいろ不安もあるけれど、行きたいとずっと思っていた場所にようやくいけるのだ。参加する人たちのいろんな考えに触れてみたいし、刺激も欲しい。自分は何が好きか、何をしていると楽しいのかを改めて考え直すのもいいかもしれない。貴重な1週間を通して、誰かと何か縁が出来れば面白いと思うけれど高望みはしない。でもせっかくだから楽しみたいと思っている。

きっと誰だって不安に思うことはあるだろう。初めましてのところに飛び込むのはいつだって怖い。それでもその不安は立ち止まっている限り、ずっとなくならないのだ。だったら不安と一緒に飛び出してしまおう。それがいつかキラキラした輝きに変わるといいな。

あ、あとせっかく徳島まで行くのだから、帰りに香川県で本場さぬきうどんも食べたい。