空想島(6畳半)

空想をすることが、生きる糧となり地となり肉となり

何も出来ないから、何でも出来るんだよと言われた話

1月13日~15日にかけて北海道温泉一人旅に行ったという話はさんざんしたが、帰宅した次の日は朝からとある会社に面接をしにいっていた。実は年が明ける前から、知り合いに「仕事を紹介できるかもしれない」という話を頂いていたのだ。詳しい話を聞き、職歴書とスキルシートと自己PRをみっちり書き、メールを介して色々連絡を取り合っていたら、急遽面接の日程が決まった。

結果的には2時間半という驚異的な面接の末、仕事内容の詳細、身にしみる話、仕事におけるアドバイス等もいただけたので、とても有意義な時間を過ごすことができた。ただその場は質問に答えるのが精一杯で、改めて思い返して見るとどんなことを聞かれて、どんな風に答えたかを思い出すことが出来ない。けれどその中で一番印象に残ったことがあったので、本日はその言葉を紹介しつつ、自分が感じたことを書き記しておきたいと思います。

社長さんと面接とかめっちゃ怖いよ

「面接をしましょう」というメールに気がついたのは、私が旭川空港にたどり着いた時だった。選択肢として候補に挙がった日程のうち1つを選んで、面接お願いしますと言った後、私はとてつもなく焦った。

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私一人のために面接をして頂けることはとても嬉しいことだが、もう何年も真面目に面接をしたことがないし、文章で自己PR文を考えるのも一苦労。得意な技術言語なんて存在しないし、出来る仕事もない。面接という緊張感に満ち溢れたあの独特の雰囲気の中で質疑応答をするのは超がつくほど苦手だし、相手は年配の社長さんだという話を聞いていたので、震え上がったガクブルだ。

「たぶんこういうことを中心に聞かれるだろうから、悩まないで自分なりの回答をすれば大丈夫だと思うよ」と私の挙動不審具合を察した知り合いからアドバイスを頂いた。ありがたい限りである、至れり尽くせりとはこのことか。これでだいぶ緊張がほぐれた。というかやれることをやるしかないと開き直っただけである。そして質問されたことにハキハキと答えられるようにしようという、きわめて低い目標を建てて望んだ。

あなたに出来る仕事はない

話の流れでそんなことを言われた気がする。いや、こんなにズバーンと心に突き刺さる一言ではなかったかもしれない。「書面だけ見ると3ヶ月単位で仕事が変わっているので、あなたには即戦力となる技術力はないですね」的なことを言われたように思う。ちなみに思ったより衝撃を受けなかった。まったくもってその通りです、はい。

システムエンジニアになりたいとかプログラマーとしての技術力を極めたいとかモノを作るのが好きだとかそういうことをあまり考えなかった人間なので、3ヶ月単位でやった仕事内容が倉庫内作業、テスト採点、農業手伝い、プログラマーとかバラバラで意味不明だ。面白いですねと言われたがお世辞だろう。

面接をして頂いた会社は一言でいえば技術者集団なのだ。しかも経験豊富で技術力のあるベテランがほとんどを占めている。だからあなたに出来る仕事は今の段階ではありませんということだった。私にほとんど社会人経験がないので納得である。反論の余地なし、私はこのキツイ言葉をすんなり受け入れられた。さようなら、お疲れ様でしたということは、やはり何か未経験でも出来るアルバイトで食いつなぐしかないかなぁと頭の中で考えながらションボリしていたら。

何も出来ないから、何でも出来るんだよ

上記の言葉をかけてくださった。私の周りに流れるどんよりとした諦めムードを察したのかもしれない。けれど私はその言葉に、谷底に突き落とされて溺死にするか否かのところで間一髪で引き上げられて一命を取り留めたかのようなモノを垣間見た。面接をしていたはずなのに、気がつけば仕事をするうえでのアドバイス、および人生におけるアドバイスのような話になっていた。

即戦力となる技術力がないのはしょうがないことだ。だから今すぐにそういう仕事をするのは難しいし、無理だと思う。けれどそれ以外にも仕事はある。地味で根気のいる仕事だけれど、経験を積むことで出来ることが増えていき、勤怠を含めた仕事ぶりがお客様に評価されるようになれば出来る仕事も増えてくるだろう。

技術的にわからないことがあれば、自分で考えるよりもわかる人に聞くことが何よりも大切だ。わからないことを聞くってことは習得しようとする意思があることと等しい。いろんなことをスポンジのように吸収していくことができる。何も出来ないからこそ、何でもできるようになる可能性があるんだ。

一言一句すべてを覚えているわけではないのだが、大体こんなことを話してくださったと思う。人の心をつかむのがうまいというかなんというか、ひねくれているからこんなことを考えてしまうが、私はこの言葉が結構嬉しかった。最終的に何をつかみ、どうなりたいと思うのか。勿論それを実現するのは自分の努力次第だと思うが、私のような人間にも何かやれることがあるかもしれないと思えることそれ自体が、私にとってはとても大切なことなのです。

面接が始まる前はいかつくて厳しくて怖い人だったらどうしようと思っていたが、とても優しそうで話が面白い人だったので安心できました。冗談を挟みながら人を和ませ、人から話を聞き出しながら書面からでは伝わらない人となりを把握するのがうまい人なんだと思います。

本日のまとめ

2時間半にわたる面談の最後に「今までの話を聞いてどうかな」と問われたので、今の私には出来ることは少ないかもしれないけれど、下積みをつみながら出来ることをやり、出来ることを増やしながら働いていきたいと考えているので宜しくお願いしますとはっきりと伝えた。

この面接を終え、それがどういうことに繋がるのかは今はまだわからない。けれども面接できてよかったと思うし、今回仕事を紹介してくださった知り合いに過去ネット上で知り合うことがなければ、この面接は実現しなかったと思うと、人とのつながりというのはすごいものだなぁと改めて感じた。

2015年になって1月はもう後半に入り、2月が見え始めている。このあとは徳島や香川県に行ったりで忙しいのですが、次の仕事を探しながら出来ることがあればどんどんチャレンジしていこうと改めて思いました。また何か進捗があれば報告できればと思います。