空想島(6畳半)

空想をすることが、生きる糧となり地となり肉となり

武蔵小山温泉「清水湯」で銭湯の洗礼を受けた気がした

寒いので、お風呂に入りたくなった。

私はお風呂に入ることが大好きです。日本各地にある特徴のある温泉に行くのも好きだし、近所にある日帰り温泉に行くのも好きだし、もちろん自宅のお風呂で瞑想するのも好きです。ただ時々行ったことのないお風呂を開拓したくなるので、暇あらば都内で気軽に行けそうなお風呂を探してネットの海をゆら~り。

すでにいくつかの候補があり、いつか行きたい日帰り温泉リストなるものを作っているのですが、用がなければ「そんなところいかないでしょ?」という場所に温泉が点在しているため、リストは消化されずに残っていた。最近運動不足なこともあり、思い切って一度行ってみたかった「武蔵小山温泉 清水湯」さんに行ってみたので、今回はハイレベル銭湯に入った感想を紹介したいと思います。

 武蔵小山温泉 清水湯とは

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東急目黒線「武蔵小山駅」から徒歩5分の閑静な住宅街にある銭湯なのだが、一般的な白いタイルとシャワーが敷き詰められている昔ながらの銭湯とは入り口からして違う。旅館のような佇まいがあってオシャレなのだ。さらに魅力的なのは美肌効果のある「黒湯」と「黄金の湯」という2種類の天然温泉を、銭湯価格(460円)で楽しめることである。女性専用の岩盤浴設備あり、無料で使うことができる休憩所もあり至れり尽くせり。まだ新しいのかとても綺麗でした。

お風呂好きと言いながらも実は銭湯を利用したのは一度しかない(しかも小学生くらいの頃)。番頭さんに話しかけて銭湯料金を払うことが苦手で今まで敬遠していたのだが、松屋みたいな食券システムはいいですね。人見知りに優しい親切設計の食券システムで利用券を買い、それをカウンターに出した時に「いらっしゃい」とおばちゃんが優しい笑顔で迎えてくださったのが嬉しかった。

銭湯は憩いの場だった(ただし地元のヒトに限る)

さて女湯の暖簾をくぐり、いよいよ銭湯の温泉だぞ!とワクワクしていたら、なんと選んだ100円投入ロッカーの鍵口に鍵が刺さらず悪戦苦闘するハメに。ウンウン言っている怪しい私を見かねた隣のロッカーを利用していたおばさんが、ロッカーの閉め方のコツを教えてくれた。ところどころへこんでいたり、ゆがんでいたりしてガタがきているのだそう。たとえ知らない人であっても見てみぬふりをせず、困っている人がいたら助けるという心遣いに脱帽した。

そんなこんなで100円投入ロッカーの鍵をしっかり閉め、いざ温泉へと思ったのだが、やはり体や髪を洗って綺麗さっぱりとしてからゆっくりお風呂に浸かりたい。そう思って空いているカランを求めて洗い場に直行したのだが、空いている場所がない。全てのカランが満席で並んでいるというのならまだわかるのだが、そうではない。空席に見えるカラン1つ1つにそれぞれ洗面器が置かれていて、洗面器の中に「ここは私の場所です」と主張するタオルが入っていたり、場所取りの水筒やマイシャンプーセットがドーンと置いてあるのだ。場所取りはしないでくださいという張り紙の意味がない。ガン無視である。

いや、まぁ、もしかすると銭湯はこういうものなのかもしれないのだけれど。地元に住んでいるおばあちゃんや近所の人は毎日のように通っていて、コミュニケーションも取れるし、健康にもいい銭湯はきっと憩いの場なのでしょう。だからマイベストポジション的な定位置が存在し、それがすでに暗黙の了解になっている。もともと地域に根ざしたお風呂場が銭湯としての役割なのだから間違ってはいない。

けれど銭湯初心者である私はおおいに困惑して、そばにいる女性に「ここは使ってもいいのでしょうか」とお伺いを立てる始末。あいまいなOKを貰って体を洗っていると、カランの主が戻ってきて(周りのカランが空いているにも関わらず)「ちょっとごめんなさいね」と移動を余儀なくされたり「勝手にカランを使ってしまってすみません」となぜか謝る私がいたり、地元の人に愛されている地元の人のための銭湯の洗礼を受けた気がした。お風呂を楽しみたかったのだがあまりのアウェイ感に心が折れそうになった。

つるつるスベスベの黒湯と黄金の湯

カランでの試練を乗り越えて、待ちに待った温泉へ。近所にある日帰り温泉施設の温泉も黒い琥珀色の温泉なので、温泉的には驚きはなかったのだが、心もちこちらのほうがツルツルしている気がする。温度も40度前後でちょうど良かったように思いました。時間帯がよかったのかそんなに混雑していなかったので、黒湯はゆったりと入ることが出来ました。

ただ黄金の湯は露天風呂ということもあって、ぬるめの温度だったので長湯する人が多かったのかな、常に混雑していたので入れなかった。屋外にある階段を登った先にある黄金の湯の湯船は円盤状になっていて、まるで円陣やイス取りゲームでもやっているかのように人がズラリ。地元のおばちゃんたちの井戸端会議ならぬ露天風呂会議の場と化しており、カランでの洗礼で心が折れかけていた私はその中に突入する勇気が持てなかった。階段を登ると黄金の湯に浸かっている人の目線が一極集中してくるので、ここぞとばかりチキンを発揮した私には、難易度が高かった。心を強く持つんだ。

風呂あがりの牛乳と温泉玉子は最高だ

なんだか慣れない雰囲気と私という存在が場違いなのではないかというアウェイ感に晒されて、1時間と経たずに温泉から脱出。正直な話、贅沢気分を味わう暇もなかった。私だけかもしれない。颯爽と温泉からあがったもののこのまま帰宅するのは勿体ないなぁと思い、とりあえず風呂あがりの牛乳一気飲みを慣行。牛乳屋さんの牛乳、すごくまろやかで舌触りがよくて美味しかった。

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さらに名物だという新鮮な黒湯温泉の温泉成分を染み込ませた自家製天然温泉玉子(50円)を試食。ほのかな甘さとふるっふるな白身がすさんだ心にしみこんでいくようだ、美味しい。ただ不器用すぎて温泉玉子の殻をうまく取ることが出来なかったので途中気にせず殻も食べた。美味しかったです、ご馳走様でした。どうしてお風呂あがりの一杯は美味しいんだろうね。

本日のまとめ

こうして思う存分とまでは行かなかったが、初めてのお風呂を巡る旅は終了。

うーむ。慣れないことはするもんじゃないという気持ちがある一方、銭湯という憩いの場は私が住んでいるところにはないものなので、良くも悪くも滅多に体験できないことを体験できた1日でした。昔ながらの商店街でにぎわう武蔵小山には、銭湯に入って地元の人と交流する場所が。昔はどこにでもあった光景が未だに息づいているんだなぁと思うと、ちょっと羨ましくもありますね。

近場に住んでいる人にとってはなじみのある場所なのだろう。勿論一見さんお断りというわけではないのだが強い精神力が試されるかもしれない。けれど温泉はとても気持ちよかったですよ。

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東京の天然温泉と岩盤浴が人気の銭湯|武蔵小山温泉 清水湯