廃墟好きにはたまらない「The Obroaders ~オブローダー 廃道冒険家~」という映画を見てきた
最近、身内の不幸などがあり(仕事どころではないほど)慌ただしい日々を送っていて、ブログの更新が少し滞ってしまいましたがいかがお過ごしでしょうか。
今回のテーマはズバリ廃墟です。この記事において廃墟とは、廃屋、廃道、廃隧道、廃病院、廃村、廃抗、廃ホテル、廃工場、廃線などを含む総称とします。昔からこの廃墟系の写真や廃墟探索レポートを見るのが好きだったのですが、映像としては見たことがありませんでした。
そんな時、テアトル新宿にて11/22(土)より 《1週間限定》で廃道探索をするオブローダー(廃道冒険家)に焦点を当てたドキュメンタリー作品が公開されると聞いたので見てきました。今回は私の思う廃墟の魅力を交えながら、廃墟の写真やレポートを取り扱うWEBサイト、映画の感想について紹介したいと思います。
『廃墟』に興味をもったきっかけ
朽ち果てて人々にその存在を忘れられていく建物を見ているのが好きだった。いつから好きなのかは覚えていないけれど、ICO好きからきているのではないかと思う。
ただそこから海外にある遺跡のような建物に興味を持つのではなくて、日本の廃村や廃病院などに興味を持ったのはなぜなのか。わからない。2chの怖い話の読み過ぎなのかもしれない。いわゆる心霊スポットに興味があったわけですね。初めは。
私の思う『廃墟』の魅力とは
これは私の独断と偏見による考え方なのですが、かつて人が住んでいたことがあり、そこには確かに人の営みがあったはず。それなのに、時代の流れ、自然災害、倒産だったり、さまざまな理由で人がいなくなり、やがて朽ちていき、忘れ去られていくわけです。
建物を自然の中に飲み込もうとする草木の猛攻、雨に晒されて錆びて行く鉄筋、まるで今でも人が住んでいるかと思わせるような生活感や時代を感じさせるモノたち。寂しいような、懐かしいような。私達は当たり前のように生活していて普段あまり考えることはないけれど、ここには忘れてはいけない何かがある、そう思わせる雰囲気があると思う。ノスタルジーなんて言葉使うと、なんかカッコよすぎるかもしれないけれど。
建物や場所に残された、刻まれた思いに魅力があると思います。
私の大好きな『廃墟』関連サイト3選
いい機会なので、というか自称廃墟好きとして紹介せずにはいられない。私の大好きな『廃墟』を取り扱っているWEBサイトを3つ紹介したいと思います。
- 廃墟Explorer 2002年に「廃墟の歩き方 探索篇」という著書を出した、廃墟における第一人者である栗原亨さんのサイトである。私が廃墟系の写真を見る楽しさに取りつかれたサイトなのです。
- ただ見て楽しむだけでなく、実際に廃墟探索をする際に大切な「廃墟」という分野につきものである危機管理面、物件によっては不法侵入、廃棄されている建物でモノを壊すことは器物損壊、何かを持ち帰れば窃盗になるわけで。廃墟探索における危機管理の周知徹底もされているサイトです。
- 遺構調査機構 ワンダーJAPANという珍スポット、珍建築、珍寺、地下空間、廃墟、戦争遺跡など、通常の旅行ガイドブックが取り上げないもうひとつの日本の姿を紹介する雑誌にも執筆している藤本脩司さんによる遺構の探索・潜入及び写真撮影を行うサイト。
- ここで一番好きなのは産業地下遺構である廃抗。実際に行くことは危険が伴うので私には無理ですが、廃抗にある金属類や抗水は時には幻想的な色をしていて神秘的です。勿論それ相応の危機管理と機材を装備しての本格的な探索には目を見張ります。
- 山さ行がねが 遺構調査機構のLINKで辿りついたのが、日本各地にある変わった道を(自転車や徒歩)で完走するオブローダーと呼ばれるヨッキれんこと平沼義之さんによるサイト。こちらは上記2サイトとは異なり、廃道、酷道、旧道、旧旧道、未成道など「道」メインに取り扱っているサイトです。
- ここにきて廃抗だけでなく、日本各地にあるかつて人が生活のために作った道や使われなくなって放置された先人の歴史だったり、日本地図や古地図から消されてしまったモノたちに興味を持ちました。今回見た映画はここの管理人さんが出演しています。
近年では東京カルチャーカルチャーなどで廃道ナイトというイベントが開催されていたり、廃道を扱う本、廃道のDVD等がたくさんあります。興味のある方はよかったら見てみてください。
「The Obroaders ~オブローダー 廃道冒険家~」を見て
さてここでやっと本題の見てきた映画について、紹介したいと思います。タイトルは「The Obroaders ~オブローダー 廃道冒険家~」です。カッコイイ。
オブローディング(廃道探検)の第一人者として、「山さ行がねが」というWEBサイトで廃道を紹介する平沼義之さんと普段は会社員、休日になると廃道を求めてアクロバティックに活動する女性オブローダーである石井あつこさんに焦点を当てたドキュメンタリー映画です。
映画の中で出てきたのは東京都にある神津島砂糠山の廃道、若郷新島港線、そして兵庫と鳥取の県境にある戸倉峠の未成隧道などの物件。今まで写真やそこで感じたものを文章として見たことはあったのですが、リアルな映像として見たことはなかったので、すごく興奮しました。こんな所に道があるのか!って所(崖の上とか)にありますからね。同じ東京都とは思えない殺伐とした景色と青い海がありました。高所恐怖症の人は絶対無理。
それと同時に感じたのは、一歩間違えば二度と戻ってこれない危険があること。廃墟探索に限った話ではないのだが、こういう場所には必ず危険がつきものだ。登ることが難しいだろう崖を身一つで登ったり、落石があるかもしれない場所に 身一つで潜入していったり、どこが道なのか一見わからないヤブの中を潜って行ったり、一歩踏み間違えればすぐそばが崖ということもざらにある。
そんな時は 一体何を見て、何に気をつけながら探索しているのかなど勉強になりました。まさにサバイバル。確かに行ってみないとそこにある歴史、人の営み、かつての先人の努力や思い、安全を重視するが故に私たちが手放して捨ててしまった景色を見ることは出来ませんが、あくまで安全第一。戻ってこれることが大切だと改めて痛感しました。
見てよかった、これは面白い映画でした。もう公開は終わってしまいましたが。
本日のまとめ
特に言い残したことはない。
廃墟、大好きです!