空想島(6畳半)

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第一希望、そんなものはありません

派遣で仕事を探している場合やバイトの面接の際は滅多に聞かれませんが、新卒採用時の就職活動では「当社以外にどこか受けていますか」であったり、「第1希望はどこですか」と聞かれることってありますよね。

そこは、あの手この手でそれらしく、本音を巧妙に隠して建て前をフル活用して説明するしかないのですが、今回は、私がかつて就職活動をしていた際に(ひねくれつつ)考えていたことを、話したいと思います。

第一希望について聞く理由

そもそも、なぜ第一希望について聞くのでしょうか?

私は面接のプロでもなんでもないので、確かなことはわかりませんが、おそらく志望動機の高さであったり、会社選びの軸が知りたいのだと思います。

会社側としては、毎年採用活動するだけで多額のお金と時間をかけているので、その努力が水の泡となる、内定辞退者を出したくないと考えていると思います。それを計ることができる方法として、志望度の高さを知るというのは一理あります。ついでに自分の会社の気質を合うかどうかを、 「第一希望」という言葉を囮にして、学生側から「会社選びの軸」を聞き出すことで探っているのかもしれません。

正直、正直にお話することは出来ない

ところで、第一希望でない会社であっても「御社が第一希望ですと言わなければ不採用となるのか」という点が気になったので、少し調べてみました。これについても、おそらく採用担当者によって考え方が違うと思いますが、解答のひとつとして「それだけで不採用になることはないので、正直な気持ちをお伝えください」という物がありました。

けれど、実際問題、この言葉をストレートにうのみにすることはできませんよね。面接で「あ、ここは滑り止めなんです」とか「面接の練習に来ました」と言った瞬間、「あ、じゃあ今日の面接は終了でーす」という感じになっても仕方がありません。

第一希望なんてものが特にない私は、この時点で「え、正直に話しようがないじゃん」と思ってました。というか「正直な気持ちをお伝えください」と言いながら、答え方を誘導しているようにしか思えません。回りくどい言い方をするくらいだったら、「当社が第一希望と言わなければ、不採用にしてやる」と言ってくださった方が、いっそのことすがすがしい気すらしてきます。

全部、第一希望なんです!

先ほどから「第一希望がない」という話をしていましたが、それは別に働きたくないとか、これでも私的には、就職活動のやる気がないというわけではありません。けれど、特にやりたい仕事もなく、志望動機もないどうしようもない私は、縁があって、なんとか入ることが出来れば(酷い話)どこでもよかったので、つまり、受けている会社は全て第一希望でした。

この私の考え方が正しいかどうかは置いておくとして、嘘でもなんでもいいから、「全部第一希望だ」と答えるのはいいことだと思います。あとは、どの会社でも使い回せるそれっぽい理由をでっちあげておくといいですね。

そうすれば「第一希望はどこですか」系の質問をされた時、会社ごとに理由を考える という面倒くさい作業を簡略化し、うまくごまかすことが出来ます。まぁ最終的には、わかりやすい具体的な話をする必要があると思いますが、ここまで建て前を使いこなせるようになれば、あとは何とかなるでしょう。

本音と建前って難しい

本音と建前は全然違うのに、大量の学生の中から選ばれるために嘘をつかなければいけないと言う点で、「なんなんだ、この試練は・・・」と私は結構悩みました。

そして今、当初は「どこでもいい」と諦めにも似た気持ちでいたのですが、会社を辞める選択をしたことからも「やっぱりどこでもいいというわけにはいかなかったんだわ」ということに気がつきました。自分のことって、わかっているようでわかりませんね。でも面接については、もうそういうもんだと、割りきってしまった方がつらくないのかもしれません。