空想島(6畳半)

空想をすることが、生きる糧となり地となり肉となり

やる気は「出す」ものではなく、「出る」もの

「やる気を出せ」という言葉はよく使われる言葉ですよね。

気合いを入れたり、ポジティブシンキングをしたり、物事を整理したり、自分を追い込んだり、負荷をかけて努力したりして、意図的に出せるものだと考えられているからこそ、の言葉だと思います。学校のテストの一夜漬けのように、短期的にやる気を「出す」ことができるため、自分の意思で「出せる」ものだと考えがちですが、無理に「出そう」と思っても出てこないことの方が多いです。

私もやる気は出すものだと思って、出そう出そうとしていた時期がありました。無理やり出そうとして、「やる気が出ない」ことに自己嫌悪していては、意味がありません。今考えると、やる気の出し方なんてよくわからないのに、出来るはずもありませんでした。

ここで、「やる気」を「集中する」という言葉に置き換えてみます。「集中すること」は、いつでもどこでも出来るというわけではありません。中には、どこでも集中することが出来るという人がいるかもしれませんが、おそらく人によって集中力を発揮できる環境は異なるのではないでしょうか。

例えば私の母がそうなのですが、雑音が聞こえないような、自宅の机に向かって勉強することで最も集中出来る場合、大勢の人の話し声が聞こえてくるカフェで勉強しようとすると集中できないと言います。逆に妹のように勉強しながらラジオを聴くことが、集中力を保つ方法だという人もいると思います。ちなみに私も、カフェで勉強できる人間です。ただし私の場合は、家は遊ぶ・もしくは休む場所と考え、場所でスイッチを切り替えるようにしています。このように考えると、やる気は「出す」ものではなく、「集中する」と同様に、自然に何かをやりたくなるような環境を整えることで、「出る」ものといえるのではないでしょうか。

環境を整えるためにできることはたくさんあります。学生だったり、社会人だったり、立場によって出来るものと出来ないものがあるかもしれませんが、例をあげたいと思います。

1.PCのデスクトップ壁紙を変える
これは大学時代によくやっていました。会社では指定の壁紙以外に変更してはいけないと言われてしまい、しょんぼりしましたが、アニメや漫画の好きなキャラクターのイラストを壁紙にすることだけで、やる気が出ます。PCを開けば、好きなキャラクターがお出迎え、今日1日も頑張れそうな気がすると感じるのは、私だけではないはずです。

2.作業用BGMを聴く
音楽を聴きながらでも作業できる人に限りますが、これもよくやりました。リラックスした気分で取り組みたい時は、ジブリやimageのようなヒーリング系、〆切が近くて緊張感を感じながら集中したい時は、エヴァンゲリヲン破の戦闘曲、明るく楽しい気分で仕事をしたい時は、初音ミクやGUMI曲など、様々な曲をニコニコ動画などで聞けるので、とても重宝しています。

3.掃除をする
自分の家や作業する机を整理整頓することで、気持ちも整理され、「よし、やるぞ!」という気持ちになれることもあります。そう考えると、新人が朝掃除をするのは、そういう意味があったのかもしれませんね。また集中していると糖分が欲しくなったり、靴を脱いで作業したいと思う場合は、お菓子をロッカーの中に常備したり、スリッパを購入したり、自分が最も力を発揮出来る環境を整えましょう。

4.遊ぶ
やる気や、集中はずーっと持続できるものではありません。ここまでやったら休憩しようとか、これが出来たら休憩しようと考えつつも、つい無理をしてしまうことってよくありますよね。休憩したいと思ったら、休憩しましょう。無理して続けていても、「~しなければならない」系のことはストレスになって、空回りするだけです。時には散歩をしたり、ゲームをしたり、間に遊びを入れることも大切です。やる時にやって、やらない時には徹底してやらないように切り替えることで集中できることもあります。

私自身は自分を変えるということは、難しいことだと感じています。自分自身の弱点や、弱い所を克服するということも、素晴らしいことだと思います。ただコンプレックスのようなものを克服するには、たくさんのパワーが必要です。それが出来る人はそれでいいのですが、出来ない人は周りを少しずつ変えてみましょう。環境を変えることは、弱点克服よりは省エネで無理なく出来ることだと思います。いきなり大きなことをしようとするから、大変になって、それがストレスになります。小さな所から環境を変えることで、自然とやる気が「出る」のではと思います。