空想島(6畳半)

空想をすることが、生きる糧となり地となり肉となり

社会人 と 違和感

「社会人」という言葉にも違和感があります。

4か月の社会人経験の内、3か月は新人研修だったのですが、最終日にお偉い人から「だいぶ社会人らしい顔つきになってきたね」と言われました。この「社会人らしい顔つき」とは、何を意味するものなのでしょうか。

会社に入った際に、「学生気分はこの研修中に抜きなさい」と言われると思うので、「社会人らしい顔つき」は、研修を終えた後にはあるものだと思われます。私自身が新人だったので、ここらへんの話は憶測になるのですが、新社会人は厳しい就職活動戦線を乗り越えたという気持ちがあり、社会人としての一歩を踏み出したという期待と、会社でやっていけるだろうかという不安が入り混じっている状態です。だから少し頼りなく見えたり、様々な物事を物珍しそうに吸収するため、目にキラキラとした光が宿っていたりして、その体からにじみ出ている雰囲気から、新人と一発でわかるのではないでしょうか?実際、先輩社員の方によると、新人っぽい人は見た目だけでわかるらしいです。

これら新人の時にあったものが、なくなった状態を「社会人らしい顔つき」であると仮定します。つまり、少し横暴な考え方ですが、社会人になった際に抱いていた期待を失ったり、会社の雰囲気や仕事のやり方をつかみ、仕事に対して少し自信を持った状態、または社内のいい加減さを知って適当でもやっていけるとわかった状態、もしくはサービス残業という社畜の一歩を踏み出したとか、まぁそんな状態のことを言うのかなぁと思ったりしています。つまり、その会社にとって都合のいい人材に育てるための準備が整った状態とでもいうのでしょうか。

ところで、この「社会人」という言葉にも違和感を感じませんか?社会人という言葉は、文字通り意味を考えると「社会の一員」ということになります。私は、大学生が所属している社会は大きく分けて2つあると考えていました。1つ目が学校で、2つ目が家(家族)です。アルバイトをしている場合は、3つ目が考えられます。ここで私が考えていたのは広義の社会であり、何も会社で働いていることだけを指すものではないと考えていました。しかし実際に「社会人」を指す場合は、学生やフリーターはカウントされません。つまり実際の所「社会人」という言葉は、正社員として就職して働いている人を指しています。しかし、これはとても狭義な「社会」について言っているだけです。

または「学生気分」を抜いた先にある状態が「社会人らしい顔」であるとも考えられます。新人に対する説教の時によく使われる「学生気分」については割愛しますが、定義があいまいで、都合のよい言い訳として使われることが多いので、「社会人らしい顔」もそんな大したものではないことがわかります。もし「いつまでも学生気分でいるな!」や「社会人らしい顔つきをしろ!」という理不尽な説教を受けた場合は、その言葉をスルーする能力を身につけましょう。

本来、「社会人」とは社会の中で生きていく上でのルールや、人間としてのマナーを守れている状態のことを指すのではと思います。すぐに「学生気分」やら「社会人らしい顔つき」やら「社会で通用しない」的な言葉を口にする人に出会った場合は、その言葉を鵜呑みにしないようにしましょう。わたしたちは、例え正社員でなくなったって、広義の社会に属している限り「社会人」です。