空想島(6畳半)

空想をすることが、生きる糧となり地となり肉となり

ずっとやりたかったことを、やりなさい ジュリア・キャメロン

この本は、初版が2001年なので、もう12年も売れ続けている隠れたロングセラー本です。 どんな本かというと、一言で言えば、「自分の創造性を回復させる」本なのだと思う。

なんか胡散臭いなーという感じだが、誰でもやろうと思えば出来る。用意するものは、ノートとペン、ただそれだけ。あとは毎朝30分、書くだけ。思いついたことを、淡々と。 ただし書き方には注意することが、1つだけある。それは、他人に見せることを前提に描かないこと。つまりは、思いついたことであれば何を書いてもいいということだ。ただ「書く」という行為で、自分自身と向き合うという、実際に著者が実践してきた自己啓発手法の本なのだ。

書かれている実践手法はたったふたつだけ。ひとつはモーニング・ページ、ふたつめはアーティスト・デートだ。

①モーニングページ:毎朝起きてすぐにノートに3ページ分、思ったことを書き連ねる。日記ではなく、頭に浮かんでくる雑念やイメージをただ書きうつすだけでOK。
②アーティスト・デート:毎週1回、2時間ほど自分の心の中に住む、「アーティスト・チャイルド」とデートをする。要するに、一人で子供のような楽しみに浸る時間を作るということだ。

百聞は一見にしかず、とにかくやってみなければ、この本のよさはわからないかもしれない。私は創造性を回復させたいとは思っていたが、それよりも自分は何を望んでいて、何を考えているのかが知りたいと思っていた。自分って、本当にわからないものだから。

とはいえ、毎朝ノートに3ページって多くありませんか?私は3ページという数字だけで既に参っていました。本当は3ページ書く方がいいのでしょうが、慣れないことは初めからたくさんやると、それだけで参ってしまうことってありませんか?使い方は自由だと思います。だから1日書けるページ、思いつく限りだけでいいという決まりを作っていました。書けるようになってきたら、ページを増やしていけるようになるでしょう。

最初は何の意味があるのかわからなくて、書きづらいという話を聞きましたが、もともと考えることや書くことが好きなので、そんなに苦に感じなかったのですが、なんというか途中で1か月ほどで私のモーニングページ活動は止まってしまっている。やはり、中々続けるには意志がいるというか、起きれなくて時間がないというか、難しい。

ただ、昔書いたノートをパラパラと見返すと、だいたい毎日「嫌だ」と書き続けている。ただし、毎週金曜・土曜・日曜はどちらかというとイキイキしているようにも感じる。さて、何がそんなに嫌なのだろう。

これは私自身が生きる中で、見つけて行く答えなのかもしれないし。私もまた、まだ舟を漕いでいる途中ということなのかもしれない。久々にこの本を見ると、またやってみたいな。外が怖くて、隠れてしまった私に会いに行きたい、そう思います。

著者であるジュリア・キャメロン氏の言葉にこうあります。

創造性の回復を効果的に推し進めるには、悲しみに浸る時期を通過しなければいけない。ときには痛みの雷に打たれることも受け入れなければならない。これは実りある痛みであることを覚えておこう。稲妻は暗闇を明るく照らしてくれるのだ。

 もう一度、舟をこぎ出そう。遅すぎるなんてことはない。

ずっとやりたかったことを、やりなさい。

ずっとやりたかったことを、やりなさい。